白髪を染められずにいる。
高校生のときから若白髪が目立った。
朝、鏡をみたときに今まで黒一色だった頭髪に白い線が数本入っていたときは「こんなにも早く老い始めるものなのか」と悲嘆したがそれと同時に嬉しくもあった。
「周りと違って大人になりつつあるのだ」
私は伸びていく白髪を誇らしげに思った。
のうのうと生きていてストレスを感じない奴らよりも物事を感じ取る網の目が細かい故にストレスを感じて白髪を生やす私のほうが優れているとさえ思ってしまった。
それから白髪の多さを話題に出されたことは何度かあったが、中に