今の社会に必要なのは、ネットリテラシーではなく、文章リテラシーだと思う。つよく、つよく思う。

令和になってから、誹謗中傷等が原因の悲しいニュースがとどまることなく続いている。

それらの原因の一つは、「文章」にあるのではないかと私は思うのである。

私自身、メールやLINE、SNSなどの「文字だけのコミュニケーション」では、その文字の羅列から、多くを読み取り過ぎてしまう傾向がある。
そしてきっとこれは、私だけではないはずで。

文章を日頃から書くことが好きな人、繊細な感覚を持っている人、あまり自信がない人などは、「これを書いたらどう思われるか」などと考える癖がついている。
それゆえに、文章を読む時にも「これって、本当は頼まれて嫌だったのかな」「絵文字がないけど怒ってるのかな」など深く考えすぎる。そして、病むことが多いと思う。

ただ書き手に聞いてみると、「そういう意味じゃなかったんだよー」「え、深読みしすぎだよー」なんて言われることも多い。

そんなこと、文章だけじゃわからないんだよ。

直接の会話に比べ、文章だけで「伝わる」ことは難しい。
何倍も何十倍もレベルが高い。

感情を言葉に載せるなんて、作家じゃない限りなかなかできることじゃない。

それにもかかわらず、SNSが普及し、誰でも手のひらの端末の中から、いつてどこでも発信できるようになってきている。

そりゃあ、無法地帯になってしまうよ。

こんな世界が広がっていくのかと思うと、怖い。

でも、もう止められない、とも思う。

だから、わたしたちは、逃げるしかないんだ。

どうか文章を受け取る時には鈍感に。

そして文章を発信する時には繊細に。

あなた自身を守ってください。

その文章で誰かを傷つけないように。
そしてあなたも、傷つかないように。