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【'24/04/27更新】ひかりもの

傷みやすく臭みの残るひかりものをぶち込んでいきます。 腕が良くなれば、いい感じに出来るやもしれないので。 さながら酢締め、あらかた諦めです。 【散散歩】地下駐車場('24/04/27) コンバンニャチハ。お馴染み、『散散歩(さんざんぽ)』のコーナーです。担当なまま。精一杯に散散な歩を認(したた)めます。 △▽△ 二千二十四年四月。有料で優良な非日常を五感全てで摂取すべく、大袈裟に扉を開く鉄塊へ、大股一歩、活歩ならぬ活乗を果たし、東へと向かう。 月の穴('24/03/

    • 眺めの音

      各駅停車に50分乗る。駅までの道のりは未視聴曲を適当に流していたが、電車に乗り込むと、曲を変える他なかった。スマイルホテルのロゴマークが満面の死に笑みを浮かべるのも当然と言わんばかりに、真っ平な晴天であった。 曲を変え、対面の客頭上すこし上の空を眺める。曲を変え、対面の客がこちらを見ていることに気付きつつすこし上の空を眺める。曲を変え、空を眺める。『口の花火』(作 長谷川白紙)。晴天の僕の曲は、この曲なのだと、一度胸を張ってみる。きっと、雨降る夜の曲でもあるけれど、それでこ

      • 【演劇】ミナノモノ第一「わすれもの」

        ご挨拶皆様、日々お疲れ様です。ミナノモノ代表 南亮哉 こと なまま です。 ミナノモノのnoteを作っても良かったのですが、あれは「誰かと遊ぶための集まり」であり、個人的な文章を載せても心地よくないので、こちらにひっそり載せることにしました。誰かと文章を作って遊んだ際には、あるいは。ここには、制作中の思い出や思考、一進一退、忘れてもいいけど読み返したら楽しそうだな、と思うものを適当に書き連ねます。七ヶ月以上が経過している今、その殆どを忘れていることでしょうが、ここで書かない

        • 視線

          『ミナノモノ・ミニ』のトリを飾った『奇冥』(読み:きみょう)を書き上げてから、というほど明確でもありませんが、強いて言えばその時点から、僕は一つだけ、今までしていなかったことをし始め、もとい、再開しました。 僕はいつからか、道行く人の顔を全く覗かないようになっていました。 幾年ぶりに(習慣なので明確な時点も最古の記憶もない)、道行く人の顔を見てみると、想像しているよりもずっと目が合って、世の人々はこんなにも周りの人間を見ているのだなと、初めて気がつきました。初めて、と言っ

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        • かきもの
          24本
        • つくりもの
          4本
        • おんがくのまもの
          3本
        • たびのもの
          9本

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          停滞を嫌う

          生活に停滞が生まれないよう、隙間無く生きている。 その習慣が先行し過ぎているのか、ものづくりに対する生来の性なのか(ここでの出生は初めてものづくりをした大学三年生の頃を指すのだろう)、作品に対する執着が人のそれよりも圧倒的に希薄であることに、度々気付く。 ミナノモノ第二『古‡良‡明日^』が上演中止になった。 理由は単純無慈悲で、私が罹患したため。誰も悪くないし、万が一誰かが悪かったとしても、中止に関して特に語ることはない。 語ることはない。そう、アッサリと違和感なく吐

          アラ、ワタ

          僕は、飲食物において、嫌いなものがない。好まないものはある気がするけれど、一分考えても思い出せないでいると、その程度の好まなさ、でしかないのだと納得する。つまり、好き嫌いの領域で、僕は食べ物を語れない。 我が一族行きつけの焼肉屋さんについて熱弁するのもいいかと思ったが、少し好きのベクトルを変えて、偏りを含ませて、あまり他人とソレについて話した記憶がない、そんなモノについて書いておく。 ソレ、とは、アラ、で モノ、とは、ワタ、だ △▽△ 「アラ」とは、魚を処理した際に残

          【演劇】||||°C°|L|L

          掲載が許可されました。演劇作品『||||°C°|L|L』の戯曲データになります。映像か脚本のどちらかだけでも見ていただけたら、泣いて喜びます。 劇団しろちゃん2022冬私演『||||°C°|L|L』 所属サークルの公式youtubeにて、脚本演出を担当した演劇作品『||||°C°|L|L[しどどるる]』が公開されました。 このタイトルは、我ながら誇らしいものではありますが、記号なので、より一層フォントの影響を受けるのが難しいところですね。ブラウザ版noteの記事タイトル

          【演劇】||||°C°|L|L

          パンティパンダのパンティライン

          「美しい」 慌ただしい店内でひとり、そう呟く波田月時万(ハダツキジバン)は、かれこれ五分ほど、空になった器の底を眺めている。 「お客さん、早くどいてくんねえかな」 その異様な光景に、店主は飽きもせず、新鮮に戸惑ってみせた。その言葉を合図に店を出る。ラーメン屋という大衆向けの飲食店にしては、あまりにも高級感のあるシルク生地で薄桃色の暖簾をくぐる。店を出たすぐのところに、ぽつぽつと、仕事着の人間が立ち尽くしている。順番待ちをしているのだろう。彼らは、そこいらの若造にはない深みをも

          パンティパンダのパンティライン

          みたことのない歯ブラシ

          つい半年前に会ったばかりの親戚達に挨拶をしていく。そのうちの一人である、私の曽祖母はいつ来ても変わらずそこにいる。94歳という年齢は、むしろ相応という言葉を忘れさせ、ただそれが当然であるように、容赦なくカニを食べ漁る。大きな毛蟹の足を八本、ミソもしゃぶる。つい先ほどまで腹を下していたという話は何だったのだろうか。何度も同じことを聞くが、指摘されても、それを嫌がらず、楽しそうにしている。血筋がそうなので、私も前に妄想したが、寂しくとも虚しくはならないだろうと結論づけた。似たよう

          みたことのない歯ブラシ

          【朗読】異枼

          ウィーンガシャン派機関誌 創刊号にて 戯曲が掲載されます 音声に不具合があります ご了承下さい 初めて朗読劇に向けて本を書きました。 本を書くのと稽古は同時進行で、自分としては素直に楽しめるものになりました。本番中、声を出さないように笑うのが大変でした。期間が極端に短いことなど、いっさい忘れていました。 いつだって斜に構えているわたしは、朗読劇を書いて欲しいと言われ、真っ先に動くことを前提に置いたのですから、役者をしてくれた後輩たちには頭が上がりません。どうやら楽しん

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          【演劇】夜る辺

          所属サークルで戯曲を販売することになり、データを削除しました 楽しく寂しい戯曲を書きました。これは去年の新歓向けに書いていたものですが、延びに延び、先日、念願叶って上演できました。贅沢の言えない公演ながらも、少しだけわがままに振る舞い、浮いた年目ということは忘れ、無事終えることができました。 創作を満足できるカタチで生み出すというのは、誰しもに課せられた至上命令です。達観した態度を取り、ハードルを下げ続け、絶頂の諦め癖がついている僕ですが、今回に限り、上演中に少し楽しさを

          【演劇】夜る辺

          NF OFFLINE

          [ネタバレ有] 2021年6月5日ZeppNagoyaに始まり、同年7月20日ZeppHanedaに終わる、山口一郎によるNF memberに向けたライブツアー。山口一郎はコロナ禍でSNSと向き合い、InstagramLiveを通じて多くのリスナーと対談し、まさしく「#夜を乗りこなす」姿をみせてくれた。彼はその感謝を込めてこのライブツアーを企画したという。臆面もなくその言葉を受け取るなら、これほど感謝が相応することもないだろう。しかし、同じ落胆はすまいと、感極まる前に、静か

          好きな音

          同じ曲を何度も聴く。アッパーもダウナーも関係なく、そういう日はそうある日だ。 外出している時は、音量控えめに聴いている。サウンドカードとか、ハイレゾがどうとか、そういうのはあまり知らないけど、聴こえづらい音があっても、iphone付属イヤホンのこの音が好きだから気にならない。控えめなのは、悪目立ちを避けるためだけど、開放型で、ノイズも込み込みだ。 外で真剣に細かい音まで聴いていたら疲れてしまいそうで、ちょっと怖い。ただでさえやる気がないのに。 だから、雑に聴き続ける。そ

          ぼくのつぼ

          手の届くいくつかのコンテンツには魅力を感じなくなり、また、手をつけていないものに対しては手を伸ばす気力も体力もなくして久しい。 いつも何かを失う僕は、それ自体がエネルギーになり得る何かを失っている。だから、せめて今ある少しのものを大事に抱えている。 中身はよく見えない。自分で入れたはずなのに、わからない。どうすれば、この壺の中を見れるのだろうか。誰かに手伝ってもらうのもいいかもしれない。 そう言って歩く。 何もない。何も見えない。 見えるが、これらではないと思う。

          ロングベリーショートカットソックス

          今日、歩きたくて歩いて、乗りたくないのに乗っているとき、第一声は、 「ハイカットシューズとベリーショートカットソックスが好きで、よく靴下が脱げます。」 こんな一文だなあ、と変に納得した。何の第一声だろう。乗りたくないのは僕の性格ではないから関係ないけれど、素直に一本筋で繋がらないことが多いのは確かだ。 全く考えていないことは口に出せない、と言われ閉口したことがある。今もまだ納得はしていない。本当に考えても思ってもない言葉だったから。そしてそのあとも、感情的になったことは

          ロングベリーショートカットソックス

          デッドライン・モラトリアム

          欠伸をしている様からは、間抜けという印象を受けるけれど、冷静になると寝不足や疲れがあることは、案外間抜けではない証拠なのかもしれない。しかし、語感が似ているからといって、噯気に対してそんな余地はない。 そして今、大きな口を開けているこいつは、何をしようとしているのだろう。 あまりにも大きくて、その重心で半歩下がる程に頭をもたげなければ、その全貌が見て取れない。ゆっくりと。目に優しい速さで上あごを下ろしていく。優しさは、しかし、威力に依らないこともまたわかる。身体に染みてい

          デッドライン・モラトリアム