見出し画像

『エイリアン』の模倣だからなんだというのか

朝から『The Terror Within』(1989年)を観る。"ガーゴイル"と呼ばれる異性体に支配された地球。わずかに生き残った人類があーのこーのしちゃう、ポストアポカリプス&エイリアン定食。
このガーゴイル、同種族同士で繁殖せず人間の女性を襲って妊娠させることで繁殖している設定。エロ漫画味が強いように思われるが『悪魔の受胎』よろしくホラーSFでは、映画でも漫画でも小説でもよくある話。

このあたりから異種姦系ホラーは「エイリアン・フェミニズム」の格好の的になるのだが、オレみたいなアホはそんなことはどうでもよく、男は八つ裂き、女は陵辱という脳筋ホラーSFは心の清涼剤になるのである。

といいつつ『The Terror Within』は、堕胎に一言物申したい感があふれている。ガーゴイルに妊娠させられると当然ながらチェストバスターよろしく、子宮をぶち破って腹から登場(Wombusterとか呼べばいい?)する。当然犠牲者は早急に堕胎する必要がある。しかし、劇中に登場する妊婦は、人間かガーゴイルかどちらの子供か分からない状況なのだ。(レントゲン撮れよとか言わないでください)

ちなみにヒロインもガーゴイルに孕ませられるのだが、なぜか自分で堕胎しようとしてミスって死ぬ。この辺りなーんか、メッセージ性があるような気がするのだ。まぁ、気のせいなんだけど。

深く考えないで観ると、「エイリアン」の模倣映画として片付けられてしまう作品だ。しかし、本作はガーゴイルのボディスーツもそこそこのデキで、こうしたちょっと斜め下くらいから「見上げる感じ」で観ると楽しい作品だ。こういう作品を「つまらないエイリアンの真似映画」で済ませてしまうのは実に惜しい。100%『エイリアン2』のトレース映画、マッティの『ゾンビ2009』(2007年)だって面白いじゃないか!

『The Terror Within』は日本公開もビデオ化もDVD化もされていない。しかし、続編の『最終生物バイオゾイド』(1991年)はVHSが発売されている。ところが、全然面白くない。かっこよかったガーゴイルを使い回せば良いのにボロ雑巾に血糊をぶっかけただけの手抜きミュータントがフンガー!フンガー!と暴れ回るだけである。それでも味わい深さは持ち合わせている。今Amazonで5000円で売られているけれど、絶対に買ってはいけない値段だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?