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「ワーキングプアを拒否して生活保護で暮らすこと」が社会貢献になる理由

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このnoteや私のX(旧Twitter)アカウントでは、

「生活保護と大差ない給料で働くことは社会悪である」
「ワーキングプアを拒否して生活保護で暮らすことは社会貢献になる」

という話を繰り返し発信してきた。

しかし、振り返ってみるとその理由について詳細に解説したことはこれまでなかった。

そんな中、Xでの活動において「働けるのに生活保護を受ける人が増えると保護費は引き下げられていく」という主張(デマ)を見聞きする機会があった。

そのようなデマを明確に否定するためにも、

「なぜ生活保護と大差ない給料で働くことは社会悪なのか?」
「なぜワーキングプアを拒否して生活保護で暮らすことは社会貢献になるのか?」

という話について、この機会に詳細に解説していきたいと思う。

キーワードは「水準均衡方式」

「なぜ生活保護と大差ない給料で働くことは社会悪なのか?」
「なぜワーキングプアを拒否して生活保護で暮らすことは社会貢献になるのか?」

その理由を理解する上で欠かせないキーワードがある。
それが「水準均衡方式」だ。

水準均衡方式とは5年に1回実施される生活扶助基準の見直しに適用される計算法式であり、簡単に言えば

「生活保護利用者を”除く”低所得世帯を収入順に並べて10分割し、一番収入が低いグループの生活費と比較して生活扶助基準を決める」

という計算だ。
もっと嚙み砕いて言うなら、

「働いてる人の中で一番貧乏な人たちの生活水準を下回るように生活保護費を設定していく」

という仕組みだ。

なお、「生活扶助」とは日々の暮らしにかかる食費や被服費、光熱費などに対する支給区分のことである。この「生活扶助」と、住宅に関係する費用の支給区分である「住宅扶助」を足した額が「毎月の生活保護費支給額」となる。


もうお分かりいただけたと思うが、この水準均衡方式という計算方法は、

「生活保護と大差ない給料で働く人が増えると生活扶助基準は下がっていき、それに伴って"生活保護よりマシな給料"の水準も下がっていく」

という設計になっているのだ。


庶民感覚で考えれば「なんでそんな設計にしたの?」と言いたくなるような制度であるわけだが、当然ながら設計のミスでもなんでもなく、頭のいい官僚たちができるだけ生活保護費を抑えるために考案したシステムだ。

生活保護受給者を国保に加入させる話をあたかも国民にとって得なことであるかのように広めていることからも分かるが、本当に日本の官僚は優秀なのである(その優秀さを発揮する方向を間違っていると私は思うが)。

しかし、水準均衡方式を採用したこの制度は、逆に言えば

「生活保護と大差ない給料で働く人々が生活保護を受給すれば、より所得の高い人たちを最低ラインとして生活扶助基準の計算が行われ、生活扶助基準は上がっていく」

ということでもある。

「生活保護と大差ない給料で働くことは社会悪である」
「ワーキングプアを拒否して生活保護で暮らすことは社会貢献になる」

と私が言っている理由はまさにこれだ。

生活保護と大差ない給料で働くことは、単に本人がワーキングプアに苦しむだけでなく、生活保護費の引き下げの原因となって社会のセーフティネットを弱めることに貢献してしまうのである。

自分もワーキングプアに苦しみ、社会全体で「生活保護よりはマシな給料」の水準も下がっていくなんて、生活保護と大差ない給料で働くことに一体何のメリットがあるのだろうか?

逆に、生活保護と大差ない給料で働くことを拒否して生活保護で暮らす人が増えれば、本人はワーキングプアから解放されるし、生活保護費の支給額が引き上げられる確率も高くなっていくのだ。

今すぐワーキングプアを拒否しよう

以上が「ワーキングプアを拒否して生活保護を受給すべき理由」の詳細な解説だ。

生活保護費の低下を招くのは「働けるのに生活保護を受ける人」ではなく、「生活保護と大差ない給料で働く人」なのである。

このnoteを読んで納得していただけたワーキングプアの人々は、ぜひとも真剣に生活保護受給を検討してもらいたい。

あなた自身はワーキングプアから解放されて精神と体力にゆとりを取り戻すことができ、より高い収入を得られる転職に向けた準備をすることが可能になるだろう。もちろん、働くのが嫌なら遊んで暮らすこともできる。

そして、あなたがワーキングプアを拒否することで「生活保護」というこの国の最終セーフティネットの水準が引き上げられる可能性が上がり、しかも「人手不足」が加速することで賃金の引上げや機械化による効率化も進むのだ。

なお、いわゆる「水際対策」と呼ばれる役所の嫌がらせが心配であるなら、郵送によって簡単に水際対策を回避できる方法を紹介しているのでぜひ一読していただきたい。

「生活保護と大差ない給料で働くことは社会悪である」
「ワーキングプアを拒否して生活保護で暮らすことは社会貢献になる」

この事実が少しでも多くの人に広まっていくことを願っている。

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