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詩「さくらの花びら」

さくらの花びらのしわを読もうとしても
他のことばかり考えてしまう
死んだ人の顔とか間違えたこととか
風が強すぎて星が何を言っているのかわからない
唇の開閉に合わせてうなずくだけで眼がうるむ
まつ毛が潜り込もうとする涙袋の底に
くしゃくしゃになった手紙があって
広げてみたら何年も前のさくらの花びらが
風の背中につかまって
あっ
という間に逃げてしまった

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