見出し画像

20,05,05。家庭用ゲームの思い出②

ファミリーコンピューターこと通称ファミコンはご存じの通り、当時としては画期的な性能ではありましたが、現在からするとびっくりするほど低スペックでした。

ゲームセンター大好きだったにもかかわらずすぐに飛びつかなかったのは「どうせアーケードと同じようには遊べないし…」と言う理由から。それでもドラゴンクエストと言う名のソフトの発売と同時に本体ごと購入する気になったのは、このソフトが初めてのRPGだったからです。

既にテーブルトークRPGの事は知っていましたしゲームブック等でこの手ゲームの面白さには気が付いていましたから「この手のゲームで有ればファミコンでも十分楽しめるのではないか?」と思いとりあえず購入してみる事に。スーパーマリオブラザースが原因となった品不足もこの頃にはだいぶ解消され、おまけに当時ドラゴンクエストはいきなり大人気だったわけでは無い事で購入に苦労は無かったように記憶しています。

のちのゲーム機のようにRGB出力に対応していなかった為、RF接続(アンテナ線接続)、で少しぼんやりした画面で始まったドラゴンクエストに二十歳を過ぎて社会人となっていた自分はドハマりする事に。

ドラゴンクエストが画期的だったのは今では当たり前のクリエイターによる分業でゲームが作られていた事でした。キャラクターデザイン、音楽、シナリオ、プログラムと一流のクリエイターの手で作り上げられたゲームの世界観に魅了されたのは当時の子供達ばかりでは無かったのです。

今時のRPGであればオープニングシナリオに毛が生えた程度の長さに過ぎず、プレイヤーは一人だけな上にグラフィックもかなり貧弱ではありましたが、ユーザーが初めて触れるRPGであろう事を十分理解して作られたシナリオは正に入門編として相応しいバランスで作られています。

アイテム。レベルアップ。ダンジョン。そしてシナリオを堪能したうえでのエンディングの悦びとRPGの基礎知識はドラゴンクエストが教えてくれました。ゲームとしてはこじんまりとした印象ですが当時のソフトの容量が容量なだけに(なんとROM容量64KB)仕方のない事。

涙ぐましいほどの努力と頓智の利いたアイディアで作り出されたこのソフトのおかげでRPGと言うジャンルはゲーム界に根付く事になり、後のシリーズ化によって自分を含めゲームにのめりこむぼんくら共を老若男女問わず大量に生み出すきっかけになったと思っています。

既に社会人だった自分はドラゴンクエスト以降、子供の頃であれば到底できなかった勢いでゲーム関係に散財しのめりこむようになっていきます。

ゲーム誌等で仕入れた情報で厳選した選択の元にソフトを購入していましたが、それでもゲームソフトとは玉石混合入り混じる業の深い世界でした。ドラゴンクエスト同様魂を高揚させてくれるゲームばかりでは無く、後に同好の士の手で広く語られることになる「クソゲー」達との出会いでもあったのです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?