possession

possession=所有することによって我々は満たされることが往々にして存在する。音楽においてもその考え方が当てはまるのではないか。

昨今の音楽業界ではCDが売れずにApple Music、AWA、Spotifyなどの定額ストリーミングサービスに土俵が移っている(ように見える)。しかし多くのアーティストがCDという媒体で作品を発表することをやめていない。CDのほうが利益率が高いことや長年そうしてきたことでの様式美などの理由も考えられるが一番大きな理由はCDという実体をもつことでの「所有」を満たしたい消費者のニーズに応えるためであると考える(考えたい)。実際のところ私自身も定額ストリーミングサービスを利用している人間のうちの一人ではあるがやはり自分が気に入った作品(良い音楽であることはもちろんジャケットが気に入ったりはたまたアーティスト自体が好きだったりすることもある)はできる限りCDを買って「所有」することにしている。

「所有」に対しての欲は人それぞれでありもちろんその大きさも異なっている。先日私の友人が梶井基次郎の檸檬の小説を買って読んだことを話してくれたのであるが私は小説の内容よりも著作権切れの小説は青空文庫などのサイトで無料で読むことができるのにもかかわらずわざわざお金を出してなぜ買うのかということの疑問を抱いた。それ質問に対して彼はフィジカルで持ってたいからと答えた。自分は小説を紙媒体で所有したいという欲が全くなかったので非常に驚いた。

ここまでだらだらと自分の「所有」体験についって書いてきたわけであるが人間の一番根本的な所有はやはり男女関係だと考えざるを得ない。交際はお互いを知るために非常に重要なものであるのはいうまでもないが、それはあくまでもその男女が結婚を考えている場合のみである。では結婚しない場合男女はなぜ交際するのであるかと考えた時そこに現れるのが「所有」という概念である。相手を所有したいから男女は付き合ってんだよ。自分のものにしたいんだろどいつもこいつも。まあそれが良いとか悪いとかがわかるようになるのは自分がもっと大人になったときだろう。

どうでもいいけどBUMP OF CHICKENのストリーミングが開始されました。これを機に聴きなおしてるけど良いですね。所有したい。


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