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流行に乗るのが苦手な話

『呪術廻戦』を読んだ。

週刊少年ジャンプに連載中の、言わずと知れた大人気タイトルである。
その人気ぶりは普段アニメや漫画にあまり触れない人も観たり読んだりしているほどで、ヲタクではない(今では線引きが難しいけれど)知人から勧められて僕は『呪術廻戦』を知った。
そのタイミングはアニメ放送が終わって数か月経ったころだったが、作品自体の面白さはもちろん、アニメ化のクオリティの高さでズブズブと僕はハマっていった。
アニメを観た後は原作単行本(0巻含む)、映画『呪術廻戦0』と順調に進んでいき、今では新刊を楽しみにしている。

僕は流行りの作品は話題になってから知ることが多い。
更には話題になってからも観たり読んだするのはだいぶ時間が経ってから、もしくは触れる機会がまだないものもたくさんある。
個人的に、作品に触れる基準(というほど大袈裟なものでもないけど)に、「流行っているから」というのが僕にはそんなにない。

「流行っているから観よう」とか「話題についていくために観よう」とかがないのだ。
もちろんこの基準が良い悪いではなく、単純に好みや環境の話である。
僕含め、周りの友人たちは自分一人でも楽しめる人が多かったので、流行りの作品を観ていなくても疎外感を感じることがそんなになかったのが大きいと思う(共通の話題があるときは盛り上がりはしたけれど)。

更に、流行っているとか以前に、今はサブスク配信も多いので「今期」作品を「リアタイ」視聴を以前よりもしなくなってしまったのもある。
最速で観たとしても録画して放送当日中に観るくらいだろうか。

基本的に僕から「今期」「リアタイ」という概念が薄れていっている。
昔は田舎では放送自体やってなかったり、録画機器も充実していなかったりと、観る環境がなかったからリアタイ「できなかった」のに、今では観る環境が整い過ぎてリアタイ「しない」ようになっているのは皮肉である。

前にも書いたが、僕はどちらかというと「流行性」「話題性」よりも「興味」「関心」そして「タイミング」を重視してしまう。
そしてほんの少しだけ、「流行ってる作品は観ねぇ!」という天邪鬼なときもある。
それは観ることを強いられているような雰囲気が嫌なのかもしれないし、自分がハマらなかったら嫌なのかもしれない(たぶんこっちはそんなにない)。単純に自分が観たい作品が多いのかもしれない。

ほとんどの場合、話題の作品は面白いものが多い。流行っている作品は、大勢が「面白い!」と感じたから流行っているのであって、「つまらない」作品は流行らないだろう。
その作品が自分にハマるかどうかはまた別の話ではあるけれど、「興味」「関心」があるのに天邪鬼で作品に触れる機会を逃すのはもったいない。

それに、流行っているときが一番企業やファンの熱があるときなので、グッズや書籍、ファンアートも見つけやすい。
一番アツい時期に観ていたらもっとたくさんのグッズ(やイラストや同人誌etc)と出会えていたであろう作品がどれだけあることか……。
後々観た際に、「これこの作品のキャラだったのか!」と、見た目はすでに知っていたというキャラもよくいる。

僕はおそらく、これからも自分の「興味」「関心」を優先して触れる作品を決めると思う。
けれど、「流行っているから観ない」という天邪鬼はなくしていきたい。
『鬼滅の刃』『呪術廻戦』など、(大人の事情もあるかもしれないけど)息の長い作品にはぎりぎり間に合ったが、僕が知らない間に流行り、すぐに他の作品の陰に隠れてしまった作品があったかもしれない。そしてその作品が僕に突き刺さるものかもしれない。
そんなもったいないことにならないよう、フットワーク軽く色んな作品に触れていきたい。

……あれ、全体的に同じようなことを前にも書いた気が……?

「そうだ、今度映画でも見に行かねぇか?」
「……ありがとう。でも、本当に見たい映画は一人で見に行くことにしてるから」
「じゃあそれほど見たくない映画は?」
「見ないわ」
「なるほど」

『攻殻機動隊SAC』バトー、草薙素子

たまには誘いに乗ったら新しい世界が見えるかもしれませんよ、少佐。

前回エッセイ風記事

ネットやコミケにはずっと同じ作品やキャラクターを愛し続けている人たちが大勢いて、その人たちの熱量がとても僕は好き。
多分その熱量がアニメリメイクにもつながっているのではないかなぁと思ったりする。

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