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駅のホームにレールが再利用されてること、気づいていましたか?

 駅のホームで、レールが再利用されていることって、知っていましたか?
 例えばタイトル画像見てください。ホームの細い柱と曲線の梁(水平にかかっている部材)、これ、レールなんです。線路に敷いてあるやつです。

アップで見ても、ちょっとわかりにくいですね。形よりも、サビの方が気になります。


これは別の駅ですが、レールの断面が見えます

 これ、気づいている人は、とっくの昔から知っていることです。というか、上の写真を見れば、「あ!これ、レールだ!」とわかる人にはわかりますよね。
 私は恥ずかしながら、最近まで全然気づいていませんでした。建築の構造設計を仕事としているのに・・・・


建築で使用する鉄骨部材(断面形状)

 建築で一般的にこのような屋根を作るとすれば、上記のような鉄骨部材を使用します。
 駅のホームの柱を見て、「H形鋼にしてはちょっと変わった部材だな」と思ってみていました。まさかそれが、レールだったとは! レールを再利用するという発想がなかったです。

H形鋼とレールの断面、全然違う・・

 これに気付いたきっかけは、ネット記事で、レール再利用の橋が紹介されていて、「レールの再利用はよくあること」というのを読んだことでした。そこで、「え?!」となり、今までホームで見た変な柱たちが走馬灯のようによみがえり、すべてがつながったのでした!

 さっそく、近所の駅をいくつか見に行きました。
 子供と出かける途中などに、
「ママはちょっと写真撮ってくるから!」
と無人駅のロータリーに車を停めて····

曲げ加工が独特


この柱と梁もレール


レール2本を抱き合わせていることが多い


ここにも曲げ加工


レールを曲げて、方杖やトラスのようになっている


接合部


やっぱり断面はレール

 レール再利用されていました!
 地元、三重県伊勢市付近はJR線と近鉄線が通っているのですが、JR線の駅にレール再利用が多かったです。
 特徴的なのが、一般的な建築ではあまりやらない曲げ加工です。レールを自由に曲げられる機械があるのだろうと推測します。
 その曲げ加工を使って庇を出したり、レール2本を抱き合わせて柱にしたり、トラスのように組んでみたり、各駅でいろいろ工夫されているのが面白いです。
(ちなみに駅のプラットホーム上家は建築基準法が適用されず、別のルールで建てられているようです。)

 そして、SNS情報によると、レール再利用の駅には、『聖地』があるとのこと!
 それが、タイトル画像の駅、三重県鳥羽市のJR鳥羽駅です。長年、近くに住んでいたのに全然知りませんでした。
 言われて見れば、柱の細さと屋根のアールが、繊細で美しいです。

 身近なものでも知らないことがたくさんあるな、と思った出来事でした。

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