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幸せを望みながら不幸へと舵をきる人

そんなことは大したことではない、

本当は「大したこと」なのに取るに足りないこととして片付けることを、過度な矮小化と言います。

自分の幼い頃は、もっと厳しく育てられた、

だからどうした、という話しです。
自分がされたから、我が子にして良い、という論法自体が理不尽です。
正当化しています。


その子は生まれた時から親の、
矮小化と正当化の犠牲になっています。

その様な考えを持つ親は、得てして子供のためを思っている、と思い込んでいます。

しかし、今一度、自分の感情に目を向けてみて頂きたいのです。

大したことないからして良い、は愛情でしょうか?

自分がされたからして良い、は愛情でしょうか?

愛情に裏打ちされるからこそ、
子供のためを思っていると言えます。

だから「この子にして良い」は愛情には決して紐付きません。
繋がっているのは憎しみの感情です。

ではその憎しみは、本来誰に向けられるべきものなのでしょうか?

かつて自分が幼い頃に、今のこの子と同じ事をされた親に向けられるべき憎しみの感情です。

かつての親からの仕打ちを、今度は我が子に向ける訳です。

誰もが幼い頃は無力です。
誰もが親に対して無抵抗です。

だから自分の感情は許されないと察した子供は、親の望む感情表現をとるようになります。

本当は、我が儘を言いたい、自分勝手に、自分中心でいたい。

子供だから、です。
伸びやかだけれど何の経験も無い子供だから、です。

幼少期は長い人生の中で唯一、伸びやかな我が儘が許される季節です。

にも関わらず、親が心に重大な無価値感を貼り付けていた場合、
親は自分の我が儘を子供に受け入れて貰う事に必死で、
子供の感情には一切興味が無く、気付くことなど無いのです。

無力な子供はそれでも親を慕います。
親は我が子が自分を慕う姿を、絶対服従の姿勢と捉えます。

心の中の重大な無価値感から目を逸らすには、自分より弱く絶対服従の存在が必要です。

自分の苦しみ、生きづらさは、そっくり我が子に背負わせます。

そうすることによって、生きづらさに潰されそうになっていた自分は息を吹き返します。

つまり、重大な無価値感に押しつぶされそうになっていた人が親になり、
自分の重荷を絶対服従の我が子にそっくり背負わせることで、
その親は生き延びたと言えます。

抑圧された憎しみは、正しい方向に返せない場合、必ず弱者に向かいます。

家庭内の弱者は幼い子供です。

親がその親に憎しみを向けられない時、憎しみは我が子に向けられるのです。

親は我が子に、自分の親に対する憎しみをぶつけているなどとは思っておらず、

半ば本当に
「我が子を思って」いると信じ込んでいます。
奪っているのに、与えていると思っています。

幼い子供は、その家庭内において圧倒的に弱者のポジションです。

その理不尽さは、ブラック企業の比ではありません。

転職も退職も配置転換も無く、延々と続きます。


幼い子供は生まれた時から理不尽にさらされ、その世界しか知らずに育ちます。

その家庭では、その子が貶められた時、
「お前のためを思って」て言われます。

そうして育つと、自分の尊厳を侵害されることに抵抗しなくなります。

愛されるという事、信じるという事、暖かいという事、安心、安全、
それらの事を知らずに、社会に出ることになります。

知らないだけでなく、
騙す人を信頼できる人と思い、
冷たい関係性を暖かいと思い、
利用されている時、頼られていると思ってしまいます。

生まれた時から理不尽にさらされた人は、真実と真逆を信じ込み、
幸せになりたいのに、不幸へと舵をきります。


この人の親は心に重大な無価値感を抱えた生きづらい人。

この人も、親の重荷をそっくり背負わされた生きづらい人。

生きづらい人が人生を歩むとき、三つの道があります。

一つ目が、
生きづらいまま、生きる道。
苦しみがずっと続きます。
どこかで動けなくなってしまいます。

二つ目が、
生きづらさに気づき、自分と向き合い、生きづらさを手放す道。
痛みを伴いますが自分の人生を手にします。

三つ目が、
自分の重荷をそっくり我が子に背負わせる道。
苦しみも痛みも無く、最も簡単に手に入ります。


どうやら、三つ目の我が子に重荷をそっくり背負わせる道を選択する人が、最も多い様に思っています。

だからこそ、機能不全家庭は世代間で連鎖します。

どの道を選ぶのも、自由です。

ただ私は、
本来気づくことさえ難しい環境に生まれたにも関わらず気づき、

本来見ることすら辛い心の傷と向き合い、

自らの生きづらさを手放す生き方を選択された方の人生は、

誰が知らずとも尊い人生だと

そう思うのです。


読んで頂いてありがとうございます。
感謝致します。


NAMIDAサポート協会カウンセラー
伴走者ノゾム







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