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MBA生活振り返り2018年1月 〜始動〜

こんにちは。組織のChange Agentを目指すMasamiです。

今回は、第2セメスターの始まりである2018年1月度のレポートから。

FinanceやAccoutingといったビジネス基礎知識の習得から一転し、リーダーシップやマネジメントといったソフトスキルを伸ばす授業が加わってきました。内省を経て、気持ちを新たに活動しています。MBAオリンピックもありました。

読み手にとって、MBAとは何か?の疑問に答える内容になれば幸いです。

では、どうぞ。

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🔷 学内での活動

 第2セメスターが始まりました。第2セメスターは1週間のIntensive Weekを経て、レギュラークラスが展開されます。

🔴 Intensive Week
Intensive Weekでは、
■ Leadership in Organization
■ Management & Organization
という2つのクラスをそれぞれ3日間(計6日間)受講しました。

 様々な産業(製造業、航空、E-commerce、小売業…etc)で活躍するリーダーについて、どういった点が優れており成功しているかについて学びました。
 個人的には結果論で特徴が物語られているのではないか?とやや懐疑的な部分もあったのですが、“企業の成長ステージ”・“産業”・“規模”・“ビジネスエリア”などのファクターで特徴を整理すると確かに共通点が見出せました。
 ここから言えることは、環境が変わればリーダーシップスタイルもまた変わらなければいけないということです。
 特に印象的だったのは、グループスタディで扱ったアリババCEOのJack Maです。これまで欧米や日本のリーダーについては知っていましたが、中国については初めてであり新鮮でした。教師出身の彼は、CEOを Chief Education Officerと自称するほど、人に教えることが好きであり、簡潔で、テンポの良い英語で、(例:Believe in your dream and believe yourself)社員を感化・鼓舞させている点が印象的でした。彼のスピーチからは非常にたくさんのシュアされるフレーズが生み出されています。
 日中は授業、夕方からグループワークで発表資料の準備・・・というThe MBAの生活スタイルに強制的に戻りました。

🔴 レギュラークラス
 第2セメスターでは、以下の4つの必須科目、1つの選択科目、およびManagement Practicum を受講しています。

必須科目
■ Macro Economy in Global Economy
■ Managing Operation
■ Corporate Strategy
■ Management Accounting

 まだ2週目ですので、簡単に説明します。
 Macro Economy in Global Economyは国単位の大きな経済の動きを考察し、政府や中央銀行の政策について理解を深めます。Managing OperationはOperation現場でのManagementに必要不可欠な概念(process follow, throughput, productivity…etc.)をケーススタディを通じて学びます。講師はこれまでで最も熱意の高い方であり、現場をできる限りイメージできるようにケースに登場する製品の実物等を準備してくれます。Corporate Strategyでは第一セメスターで学んだファイナンス・会計学・マーケティングの知見を活用し、シミュレーションを通じて模擬的に意思決定(市場予測に応じたリソースの分配・資金調達等)を行います。

選択科目
■ Leadership in Asia
 日本とシンガポール以外のアジア各国の文化に精通することと、リーダーシップ論をさらに深めるために、受講を決めました。少人数のクラスなので、担当する回では45分のプレゼン時間が与えられます。パブリックスピーキング力を鍛えます。

■ Management Practicum(MP)
 BT (British Telecom) Global をクライアントとして、彼らのBusiness Problemを解決すべく4人の学生とチームを組んで活動します。これは率先してリーダーの役割を志願するほど私が最も力を入れている科目であり、また早速苦労もしているプロジェクトです。

 まずは仲間のモチベーション確認から開始しました。なるべく1対1の時間を設けこのプロジェクトに対して何を期待しているかを尋ねました。メンバーの中にはインターンシップの機会を伺っている者や日中は別の企業で働いている者もおり、それぞれがプロジェクトに費やせる時間やそもそもの期待が異なります。メンバーのうち2名はクライアントと近い産業のバックグラウンドがあり、課題の全体像が私よりも見えているものの、業務の都合上時間の制約は大きいことがわかりました。そのため彼らに任せすぎない環境を作ることがチームのバランスを保つ鍵だと考えました。
 スーパーバイザー(教授)を交えたミーティングでは、日程や場所の調整で早速苦労しました。スーパーバイザーは指導経験が豊富であり、示唆に富んだアドバイスをしてくれるものの、最も多忙であり予定を抑えるのが大変です。クライアントとの第一回目のミーティングではアジェンダの事前調整や後の議事録の送付などでかなり神経を使いました。ただ、私が率先してやればチームメンバーもよくサポートしてくれるのはここでも同じであり、救われています。
(序盤にチームで意見調整をせずにダイレクトでクライアントとやりとりをして咎めを受けることもありましたが)

生のグループ討議では、議論が白熱するとどうしても会話を理解しようと意識が働き、コメントを挟む機会を逃すことが多くなります。そのため、ミーティング序盤の段階で「私はこう考えるからこうしたい。どう思う?」と切り出すのが今のところうまく立ち回るコツとなっています。しかしながら、わからなくなれば「わからない」と会話を止める必要がある場面がありますし、そのあたりの覚悟というか度胸を場数を踏んで飛躍的に伸ばして行きたいところです。まだまだ成長の余地ありです。

顔合わせ後のクライアントとのメールベースの打ち合わせでは、“ISSUEは何か?”に重きをおいてコミュニケーションを取っています。クライアントと同意を得て解こうとしているBusiness Problemに関して、最終的にRecommendationを行うわけですが、思い切ってポジションをとり、そのポジションを支える仮説が正しいかどうか検証するスタンスでデータを取りに行く姿勢で望むことにしました。一見当たり前なことでも、文章化して相手に確認を取ります。違えば違うとはっきり訂正されますし、一歩一歩進めていく感じになります。

一方で、クライアントとの生のディスカッションは渓流を流れる葉のような動きをします。事前に想定しているようには中々進みません。確認したい内容の部分をすっ飛ばされたり(クライアントにとって重要でない場合もある)ちょっと寄り道して、別の話になったと思えば、前提を考え直さなければいけない重要な新情報が出てきたりもします。事前に準備した質問リストから即座に不要なものを見極め、こちらの理解度を示しつつ、さらに突っ込んだ質問をするのはやはり骨が折れますが楽しいです。 何よりもこちらが誠意を見せれば、相手も受け入れてくれる点が嬉しいです。

🔷 学外での活動
● PSAインターナショナル見学
PSAインターナショナルはシンガポールに本部を置く世界最大の港湾運営会社の一つであり、学友がMBAの前に勤めていた為、見学ツアーを企画してくれました。(退職した社員なのに、素晴らしい対応)
コンテナーの取扱量は上海についで世界2位ということで規模は圧巻でした。

基本的な貨物のフローは、例えば荷物を海上から受け取る場合、
1.貨物船からクレーンによる荷下ろし
2.荷下ろした貨物をトラックで保管場に輸送
3.保管場でクレーンが次の引き取り順序に合わせて並べ(積み)替え
4.引き取りトラックに積み込む
となりますが、何に感動したかというと、新しいイノベーションを組み込み、安全と効率性を高める貪欲さです。

現在ではほぼオートメーション化されており、マニュアル操作が必要な場合でも遠隔操作により実施されています。敷地内に関してはコンテナー輸送トラックさえも無人運転で走行していました。中央コントロール室では、自製のオペレーション最適化ソフトが利用されており、クレーンもリモートコントロールできるようになっていました。
彼らのイノベーションへのモチベーションは、シンガポール政府の政策により一定期間で事業エリア(港)を別のエリアに移さなければいけないという、外的な要因も絡んできています。(ちなみに移動後はキャパシティが上海を超えて1位になるようです)
イノベーションは、”現状への危機感”・”技術への飢え”・”単純な好奇心”から生まれるものと考えていました。シンガポールでは“政府からの圧力”によって、“現状への危機感”を補っているのだと感じました。日本には、こういった要素があるでしょうか?仕組みがあるでしょうか?自分の会社では?自分の職場ではどうでしょうか?

●インド視察研修
第2セメスターの中間試験後の1週間の休みの期間を使って、インド視察研修に行くことになりました。行き先はバンガロールとムンバイです。自分の目で見て体験して心で覚えたものは、必要な瞬間に脳裏に蘇り身を助けるといいます。
約8社の現地企業を訪問します。参加する学生間で、“どうすれば、実りのある研修・企業訪問となるか?”について話し合い準備をしているところですがこの内容については来月触れようと思います。

●MBA オリンピック
シンガポール国内にあるMBA5校によるオリンピックがあり、我らNUSMBAは総合優勝しました。私も例のごとくフットサルで貢献しました。子供たちもよく応援してくれました。(今月の表紙写真です)

🔷 最後に
第2セメスターは、Interpersonalスキルのさらなる向上がテーマです。どのような環境に置かれても、周囲からの信頼を得て、良いチームを作る為の経験と自信を得ようと思います。

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以上です。

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