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人生を変えた旅2 ~生きとし生けるものすべてに~

振り返るとあの瞬間に人生が変わったなあと思える旅、第2弾ははじめてのブータン旅行について。
15年ほど前、すっかりチベット文化に魅了されていた私はとあるテレビ番組でブータンという国を知った。テレビ画面には美しい棚田が広がっていた。ブータンもチベット文化圏に属する国で、「最後の秘境」と呼ばれているらしい。行きたい・・・調べてみると日本からブータンに行くツアーが出ているという。これは参加するしかない。

タイ・バンコクを経由し、ブータンの国際空港であるパロに到着した。出会う人びとの顔はどこか日本人に似ていて、なんだか落ち着く。はじめて会う私たちにもおだやかに微笑みかけてくれる。

ブータンの人びとはチベット仏教を深く信仰しており、仏教は国の宗教に定められている。ツアーでは主にお寺を訪問した。お寺を訪れると、お坊さんではない普通の人が五体投地を繰り返したり、マニ車を回したり、チョルテン(仏塔)の周りをお経を唱えながら廻ったりしている。聞けばなんでもない普通の日だという。

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それは日本人の私から見ると不思議な光景だった。何をそんなに祈っているのだろうか。お金持ちになりたい?健康?家族円満?そんな疑問に現地ガイドさんは答えた。

「生きとし生けるものすべてが幸せになるように祈っているんです」

生きとし生けるものすべて。そのスケールの大きさたるや。
おのれのことしか考えていなかった自分の小ささに恥ずかしくなった。と同時に突然世界がパーッと開けたように思えた。
ブータンの人びとの考え方とは違うかもしれないが、もし世界中の一人ひとりが「生きとし生けるものすべて」の幸せを考えて生きるようになったら、世界、いや地球全体が平和で幸せになるんじゃないだろうか。そう考えたら、毎日の人生が少し楽しくなってきた。
ポジティブに生きようと思えた、きっかけとなるブータン旅行だった。

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