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10年ぶりの読書感想文

『センス・オブ・ワンダー』

幼少期から自然とふれあい、五感全てで「感じる」ことの大切さが書かれている。

著者は水産生物学者のレイチェル・カーソン。

彼女はまだ幼い甥のロジャーを引き取り、森の中で二人で暮らしていた。
そしてロジャーを頻繁に森や海へ連れていき、自然に対する感性を育ませた。

その生活の中で感じたことが、この本にまとめられている。


時代が進むに連れて、子供の遊び場はどんどん狭まっている。

公園では声がうるさいから、遊具は怪我をするからなどということを大人は言い、様々な禁止事項が作られていく。

そして気がつくと子供たちにとっての遊びは、家のなかでゲームをしたり、YouTubeを見ることくらいしかなくなっていく。

そんな異常な現代の子供たちがこの本を読めば、これはフィクションの中の話のように見えるかもしれない。

たしかに、ゲームやYouTubeでも十分楽しい時間を過ごせる。

しかしそれは誰かによって作られた楽しさであり、全ては製作者の手のひらの上だ。



「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではない。


この本のなかで一番重要とされているものが「感じる」である。

大人や図鑑に教えてもらい、動植物の名前や外見を知る。
知識を蓄積するだけならこの方法が一番手っ取り早い。

しかし著者は、自然を自分の五感で実際に感じることでしか得られないものがあると言うことを強調している。

実際に実物を見て気になり、図鑑で調べたり、大人に聞く方が価値があると述べている。


感想

共感できる部分の多い内容だった。

自分も幼少期は自然に囲まれて育ってきた。
家から歩いて五分で山があり、学校にも裏山がある。

特に小学校低学年の頃は、暇さえあれば友達と山に行き、虫を捕まえたり植物を取ったりし、知らないものがあれば次の日学校の図書館にある図鑑で調べるということをよくしていた。

自分の調べ癖はこの頃からのものだろう。
今でも街中で知らない植物や生き物を見かけると、スマホですぐに調べるようにしている。

知識を得るという結果は幼少期と今で変わりはないが、根本的に違うのは「感じる」の経験の有無だ。

幼少期は、自然の中で実際に手に取り、実物を観察していた。
しかし今は遠目で見て、Googleレンズで調べるだけ。

得られる結果は同じでも、実物を観察する過程がないものを知識と呼ぶことには違和感を覚える。

この本は「感じる」ということの大切さを再確認させてくれた。 

(もっと続き書こうと思って下書きに残しておいたけど、これ以上思い付かないからこれで完成)

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