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映画「PERFECT DAYS」

「足るを知る」人生こそが最強

観終わって思うのは、「足るを知る」人生こそが、最強なのだということ。「満足することを知っている人は、たとえ貧しかったとしても精神的には豊かで、幸福であるものだ」という意味の言葉です。役所広司さんが務めた主人公ヒラヤマの人生はまさにこれでした。
立派とはいえないが、清掃の行き届いた十分な広さの家。
カッコいいとはいえないが、後輩からも尊敬され誇りを持って続けている仕事。
たくさんとはいえないが、日々の日常を彩ってくれる知人たち(行きつけの居酒屋の店長、行きつけの古本屋の店主、行きつけのバーのママなど)
大きな喜びとはいい難いが、毎朝の缶コーヒーや仕事終わりの一杯、毎晩寝る前の読書や観葉植物たちへの水やり、週末行きつけバーでのひとときや昼休みの公園のベンチでの木漏れ日の撮影などなど、ヒラヤマを幸せにするささやかな喜びたちがたくさん登場する。

「幸せとは、なにも特別な日を飾る赤いバラである必要はないのだ」と思わせてくれる。

ないものをいつまでも欲しがってダダをこねたり、不必要な人間関係に疲弊して自分をすり減らしたりして生きる現代社会の人たちとは、ある意味別次元で生きているヒラヤマの生き様は、潔くもあり尊くすら見えてくる。
全ての人がこんなふうに生きられるとは思えないが、幸せの根本とは、こういうことなんじゃないかと思わせてくれた作品。
心からとてもいい映画を観たと、ついつい他人に伝えたくなる素晴らしい映画でした。
今年の日本アカデミー賞も主演男優賞はじめいくつかの受賞はまちがいないでしょう!

公開:2024/2/12
製作:2023/日本 
上映時間:124分
配給:ビターズ・エンド

★★★★★(星5.0)
2024/2/12 (映画館にて鑑賞)

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