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【エッセイ】夢と引き寄せの法則の共通点

 夢の中で一度でも「殺される」と危惧して仕舞えば、夢はたちまちその通りの世界を創り出してくる。どこからともなく殺人鬼が現れ、私にナイフを突きつけてくる。痛みはないものの、金属が当たっている感覚というのは感じ取れてしまう為、それだけでも不快感は充分。対処法は単純明快、「殺される」と危惧しないことなのだが、単純明快だからといって行動に移すのが簡単とは限らない。もう何十何百と殺される夢を見てきた経験からなのか、不幸を求める潜在意識がそうさせているのか知らないが、脊髄反射のように「殺される」と、そう言葉が浮かんでくる。もはや夢の中でどうこうという問題ではなくなっていて、そもそも「そのことを考えるな」と言われれば人間はどうしてもそのことを考えてしまう生き物なのだから、もう仕方がないのだ。
 こうなってくると現実世界で潜在意識を書き換える方法が無難になってくる。そもそも普段から誘拐、監禁、脅迫等々、謂わばダークストーリーに快感を得ている自分がいる時点で無理じゃね?と思うわけだが、妄想と現実で求める快感は違うわけで、現実で誘拐、監禁、脅迫等々を実際にされたい願望があるわけではない。軽いSMプレイはまだしも、がっつり法に触れることは妄想で快感を得るので充分。
 まあ対処法は後に考えるとして、今大事なのは、この夢の性質と引き寄せの法則がほぼ一緒の原理であることに気づいた話。私の見ている夢は明晰夢だろうけど、それはある意味引き寄せの法則だ。引き寄せの法則にラグが発生したり、念じる力の差に関与するのは、それが関与しなかった場合大変なことになるから、と聞いたことがある。
 夢の世界は謂わば、それら摩擦が発生しない引き寄せの法則がデフォになっていると言っていいだろう。それを考えると摩擦があって良かったとも言える。現実世界で「殺される」と危惧した瞬間、殺人鬼が現れてその時点で私の人生お終いってことになるのだから、そうなった場合私は既にこの世から去っている。
 ある意味で、ずっと見てきた殺される悪夢は、私に引き寄せの法則の存在を裏付ける確信を見せてくれたと言えよう。
 でも、だからと言ってもさ、何百回も殺されるのは流石に疲れちゃったよ。ねえパトラッシュ。

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