見出し画像

自転車はじめて1年でPBPを完走するまで #03 〜続・3ヶ月でSR編〜

これまでのあらすじ

初めての自転車を手に入れて2ヶ月、初めてのブルベ(制限時間以内に規定のコースを走る自転車ロングライド)を完走したのも束の間、11月〜翌年10月までの間に200km、300km、400km、600kmのブルベをすべて完走すると得られるSR(Super Randonner(シューペル ランドヌール):「すごい自転車乗り」の意)という称号(認定ではない)を理論上ひと月で達成できることを発見し、狂気の4週連続ブルベの申し込みを行う。
200kmと400kmを命からがら完走し、残りは300kmと600km、無事に完走できるのでしょうか!?(完走しました)

BRM1015近畿300km守山 みけつくに若狭

400kmブルベを終え、出雲から飛行機で大阪に帰ってきたあと、安堵感とともにゆっくりとお風呂に浸かり(気持ち良すぎて変な声出た)、翌日は祝日だったこともあり、それはもうバカみたいにぐっすりと眠りました。

また5日後には300kmも走るのか。
全身の痛みによってもたらされる「もう二度と自転車に乗りたくない」という気持ちが、1日ごとに「早く自転車に乗って走りたい」という気持ちにすり替わっていくカオスな精神状態と共に日常を過ごしながら、次の計画を練り始めます。

コースは琵琶湖南部に架かる琵琶湖大橋のほとりにある守山を出発ししばらく東進。このコース唯一の峠らしい峠である平子峠の頂上を少し過ぎたあたりの大河原温泉で折り返し、東近江を通って彦根あたりで琵琶湖沿いの道に出ます。
そこから湖北(奥琵琶湖)までビワイチのルートを辿り、賤ヶ岳(しずがたけ)で軽く登って旧道のトンネルを抜けたところで琵琶湖で鉄板の絶景ポイント。
少し下って国道8号と合流。やや長いトンネルを抜けたあたりで琵琶湖とお別れし、北上して敦賀方面に向かいます。
敦賀に到着後、敦賀湾を右手に見ながら敦賀半島を海沿いにぐるっと一周し、そのまま日本海沿いを西進。
みけつくに若狭(「みけつくに(御食国)」とは、日本古代から平安時代まで、皇室・朝廷に海水産物を貢いだとされる国を指す言葉で、若狭国・志摩国・淡路国などが「みけつくに」とされている)、小浜で美味しい海鮮を堪能したあと、滋賀県に戻ってふたたびビワイチのルートを辿り、琵琶湖大橋を渡って守山に戻ってくるという、どちらかというと平坦主体(獲得標高2100mほど)のコースです(なお遅くてタイムに余裕がないと小浜で食事を食べられません)。

スタートは朝5時と朝6時から選べます。
速い人は朝6時スタートでちょうど夜営業が開始する時間に小浜市街に到着できますが、遅い私は迷わず朝5時スタートでエントリー。
当日朝の移動(大阪→滋賀)だとスタート時刻に間に合わないので、スタート地点の守山駅前の宿を取ります。

そして前日の夜、仕事を終えて電車で滋賀県に向かいます。
電車の中に人は少なく、ほとんどは滋賀の家に帰宅する疲れ切ったサラリーマンのようです。
(逆に私はこれからひどく疲れることになるんだろうな)と思いながら猛スピードで走る新快速の電車に揺られ続けます。

守山駅に到着し、駅前のコンビニでしこたま食料を買い込んだあと、徒歩1分の距離にあるホテルにチェックインを済ませます。
コンビニで買った夕飯を食べて軽く翌日の準備をし、グダグダしながら23時ごろに就寝。

朝3時半に携帯のアラームで目を覚まします。ねむ。
昨晩に買っておいたパンをモソモソと食べ、サイクルジャージに服を着替え、チェックアウトをしてホテルをあとに。
ホテルの裏口を出たところで輪行袋に入れていた自転車をサクッと組み立て、スタート地点の駅前広場に向かいます。

建物の裏手から30秒ほどで駅前広場に到着します。
なんかめちゃくちゃ人多くない?
まだ真っ暗な早朝のそこまで人口も多くない地域の駅前の広場に、ピチピチの服を着て自転車を携えた人間がぞわぞわと大量に蠢いていて、なかなかのパンチを感じます(このあと色々なブルベに参加してわかったのですが、こういったグルメライド系ブルベはわりと参加者が多い傾向にあります)。

いつもどおりブリーフィングと車検を終え(もう3回目なので慣れたもの)、いざ出発。
ちょっと走るとすぐに田舎道のような景色になり、徐々に朝焼けと霧が幻想的に広がって、なかなか上機嫌にペダルを回し続けて進みます。

最初の登りはまだ脚がフレッシュなこともありスイスイといいペースで登っていきます。
スタート地点ですでに標高が100mぐらいあったので、300mほど登って本ブルベ最高標高地点となる標高400m強のところで頂上を迎え、短い距離ですが一旦グーンと下り。なんだめっちゃイージーじゃん。
大河原温泉に到着してフォトチェック用の写真を撮り、5分ほど休憩してそそくさと来た道を戻ります。

そこからは登り返しとダウンヒル、アップダウンなどを挟んでしばらく走り、少し疲れが見えてきたころに琵琶湖沿いの道に到着。

ここからの道は勝手知ったるもの。8月に一度フルビワイチを走っていたので、しばらくは琵琶湖沿いの平坦な道を観光ライド気分で走り続けます。
途中のコンビニでシュークリームをモクモク食べたり、なかなか速いビワイチローディーにビュンビュンと抜かされたり、ゆっくりとレンタサイクルを楽しむカップルを追い抜いたりしながら、琵琶湖外周の4分の1ほどの区間を進みます。

そろそろ疲れたし飽きてきたな〜、というところでようやく賤ヶ岳の登りが近づいてきました。
ビワイチでは唯一の登り区間ですが、ブルベにおいては登りのカウントにも入らないようなレベルなのでシューンと登って旧道のトンネルを抜け、湖北、奥琵琶湖を一望できるポイントへ。
このあたり、ほんと綺麗で好きなんですよね。
静謐な雰囲気があって、琵琶湖の中でも一番オススメのエリアです。

琵琶湖を堪能したあとは敦賀方面へ。
このあたりからぜんぜん脚が回らなくなってくる。
国道8号線の滋賀県から福井県に跨る新道野越(別名「新深坂越」)、絶妙にしんどい上り坂と強火の向かい風に加え、すぐそばを超大型のトラックが何台も通り過ぎていき、どんどんと心と身体のテンションが下がってつらみゲージが最高潮に達していくのがわかります。
もう無理…と思いながら亀のようなペースで進んでいると他の何人かの参加者の集団がグングンと踏んで抜いていきます。元気だなぁ。

やまない雨はない、終わらない登りはない、地に落ちたテンションとともに頂上を迎え、福井県に突入。
かなりのスピードで下りながらも大型トラックが追い越しを仕掛けてくる。怖いて。
路肩のガタガタに呪詛を吐きながらも下り続け、コンビニを見つけたので遅めのお昼ごはん。
ご飯を食べているとまた元気が湧いてきます。
お腹空いてただけだったのね。

再スタートを切り、敦賀市内を走っていると、んん!?なんかめちゃくちゃ路面悪いな!!
仕方がないことです。この辺り、冬はおそらく豪雪地帯。道路にとっては過酷な環境です。
それにしても福井に入ってから手と尻が痛すぎる…再びブツブツと呪詛を撒き散らしながら、敦賀湾に到着。
急回復急上昇したテンションとともに海沿いのアップダウンを軽快に進んでいきます。海、好き。

敦賀半島をぐるーっと回ってPCである西浦小学校(過疎化により休校、たぶん実質廃校)に到着。

ここから敦賀原発の端を掠めながら、永遠にも思えるほどの長さのトンネルを通り(約4km)、敦賀半島の西側へ抜けていきます。

トンネルを抜けると、また眼前には視界いっぱいの美しい海。

この敦賀半島にはいくつかビーチがあり、数年前、親しい友人達と真夜中のバーベキューをしてそのまま砂浜で眠り、みんなで朝日を見た思い出が脳裏に浮かんできます。

ノスタルジーとともに、うっすらと感傷的な気持ちを感じた敦賀半島をあとにし、海鮮を目指していよいよ小浜に向かいます。

若狭梅街道(若狭広域農道)を走り抜け、三方五湖を掠め、また海沿いへ出てから小浜市街に突入。
3つの短い橋を渡った先にあるコンビニが次のPC….のはずが1つめの橋の手前でコンビニを発見。
ここかぁ…?ランドヌールいるし…
キューシートとコンビニの看板をよく見比べると微妙に店名が違う。あっぶね。
よくPCのコンビニを間違えて認定をもらえなかったという話を聞くけどこういうことか、と思いながら先を急ぎます。

この頃にはまたかなり疲れが溜まっていて、足下はフラフラです。もう走りとうない。
正規のコンビニPCに辿り着き、目星をつけていたお店が開いているか調べます。
するとTwitterで別の参加者がツイートを、「○○、本日は休業でした」。
Twitterは有用だ。すぐさま次のターゲットに切り替え場所を確認します。

夜営業の開始時間まではまだ少し時間がある…まあまあのタイムロスにはなるが、完全にイヤイヤモードに入っていたので店の前まで移動して自転車を停め、先客の2人組ランドヌールのとなりに座って開店を待ちます。
もうやだな、走りたくないな、なんて思いながら開店時間の少し前ぐらいにお店のおばちゃん(おねえさん)に席に案内されます。
注文を終えてしばらくすると開店時間になり、続々と他のお客さん(ブルベ参加者も普通の観光客もどっちもたくさんいた)がなだれ込んできます。
早めに来といてよかった。

携帯でTwitterを見ながらポチポチしていると料理が運ばれてきます。じゅるり。

(んん!!ウンッマ!!)

パクパク、パクパクと食べ、ご飯をおかわり。
パクパク、パクパク。

めちゃくちゃ満腹になり、身体も心も大満足です。
お会計を済ませ、残り80kmの道のりを走り始めます。

ここからはまた福井から滋賀への県境を越えるため、国道303号線を標高200mほどまで登っていきます。
絶品の海鮮のおかげか、ここは元気にスイスイとクリアし、県境を越え滋賀県側を再び琵琶湖に向けてダウンヒル。

この頃にはもう完全に日は沈んでおり、琵琶湖と再開をしたものの…真っ暗でなんも見えん。
夜になって閑散とした高島市街を抜け、琵琶湖沿いを通ったり、古い街並みを通ったり、若干のアップダウンのある農道っぽい道を通ったりしながら琵琶湖大橋に到着。

実は滋賀県に戻ってきたあたりからまた絶賛イヤイヤ期に突入しており、「400kmに比べたら300kmとか消化試合でしょ」とかうっすら思っていた自分を呪い始めます。普通に300kmってめちゃくちゃ遠いわ。

琵琶湖大橋は車がビュンビュンと危ないので歩道を進みます。
うおぉ、けっこう高いな……
橋から見下ろす夜景が美しいものの、もはや心には響きません。はやく帰りたい。

琵琶大橋を渡りきり、少しの間ビワイチルートを逆回り(時計回り)に進みます。
裏道に入りまたあたりが真っ暗になると、すぐそばには赤く不気味に光る巨大な月が、幻覚かと思うほど近くに現れました。
ムジュラの仮面だと最終日3日目の朝4時ぐらいの大きさです。

えぇ…なにこれ…こわ…と思いながら走り続け、街の明かりが見えた頃、ゴールのコンビニPCに到着。
ブラックサンダーをひとつだけ買ってレシートを受け取り、コンビニPCをあとにします。

ゴール受付であるジョイフルに着く頃には、生まれたての子鹿のように脚がプルプルと震えていました。
とりあえずお腹いっぱいになるものを、とガッツリメニューを注文してから、奥に座る主催の方へブルベカードを提出。

「どうでした?今回のブルベは楽しめましたか?」
「私にはまだ300kmはキツすぎたようです(はい、楽しかったです!)」

メダルを受け取り、注文したご飯をパクパクと食べて時刻は22時過ぎ。急いで駅に向かって電車で大阪に帰りました(グロス18km/h以上で完走しないと家に帰れない縛り付きだった)。

当時のこの300kmブルベは正直つらさが勝ってしまっていましたが、3ヶ月後の翌年1月のカキオコ300では300kmのグルメライドを最高に堪能できるようになっていたので、成長を感じるとともに人として大事なものを失っていく過程を感じることができます。
でもやっぱり300kmはけっこう長いよ。

今思えばこの300kmブルベは補給がちゃんとできてなさすぎですね。
お腹が減るたびに情緒不安定になってる。赤ちゃんか。

だってしっかりお腹減ってる状態で海鮮食べたかったんだもん……。

BRM1022東京600km ぐるっと関東一周

300kmブルベを走り終え、月曜、火曜と有休をとって家族で和歌山、白浜のトレーラーハウスに泊まるキャンプに出かけます。
自転車を購入して2週間後に自転車で行ったときは13時間かかりましたが、車だと2時間で着きました。
2日目はアドベンチャーワールドを満喫し、満足して帰宅します(あとから見ると10月のスケジュールわりとイカれてた)。

3日後はついにラスボス、600kmブルベ。
これを完走すればついにSR達成です。

スタート地点は神奈川なので、仕事が終わってから大阪から移動すると到着が少し遅い時間になってしまいます。
金曜日のお昼過ぎに大阪の自宅を出発し、新幹線の中でちょちょっとお仕事をして、新横浜から自転車に乗って川崎市内に向かい、19時ごろに武蔵中原駅前のホテルに到着(今週ほとんど働いてないね)。

スタート地点は武蔵中原、ゴール地点はそこから3駅ほど離れた高津。
走行中の荷物を極力減らしたいので、後泊として高津の隣駅、溝の口にホテルを取り、駅ナカのコインロッカーに不要な荷物を預けておきます。
溝の口で荷物を預け終え、武蔵中原のホテルに戻ってきたあと、緊張で眠れずいつもどおりポチポチとTwitterをします。

(「結界でも作るんですか?」というリプライに笑ってしまった)

この600kmブルベ、タイトルのとおり神奈川を出発し東京、千葉、茨城、栃木、群馬、埼玉、再び東京を横断して神奈川へ戻ってくる、獲得標高3000m弱、ブルベ界でいうところの平坦ブルベです。
なお、このブルベは初めてのN2BRM。決められた期間からスタート時刻を事前に申請し、スタート、ゴール受付はなし、各証憑の電子データを提出して認定を受けます。
スタート期間は10/22 6:00から10/29 6:00。最も早い10/22 6:00をスタート時刻として事前申請しました。

翌朝、スタート地点のコンビニに向かうとたくさんの自転車乗りが集まっています。
さすが東京(神奈川だけど)、さすが平坦ブルベ、今までとは参加者人数の桁が違います。
スタート時間になり証憑のレシートを取得するためにブラックサンダーを何個か買います。レジめっちゃ並んどるやんけ。まあそうなるよね。

無事にレシートを手に入れ6:02。武蔵中原駅前をスタートし、まずは都内に向かって走り出します。

多摩川を渡って中原街道から国道1号線桜田通り、明治学院前で折れ、桂坂を下って第一京浜。銀座中央通りを抜けて京橋から鍛冶橋通りに折れ、永代通りに合流して隅田川を渡り、葛西橋通りで荒川を越え、そのまま浦安橋で旧江戸川を渡るとそこはもう千葉県。
都内は信号が多くスピードは乗りませんが、距離にしてたったの30km、2時間弱で東京都を横断します。

東京にはちょくちょく遊びに来るものの、自転車で走るのは初めての経験。
フワフワとした非現実感をうっすらと憶えながら、これから600km走るんだな、と少しずつ実感が湧いてきます。

千葉県に入ってしばらくは湾岸沿いの道路を走ります。
一見スピードが乗りそうな道ですが、それなりに信号があるせいで徐々に団子になり、気づけば10人ぐらいのトレインの最後尾に。
集団走行はあまり得意ではないので、少し距離をおいて走るのですが、信号待ちで追いついてしまいます。

稲毛海岸あたりで集団から離れるためにコンビニでトイレ休憩。
再出発して走っていると、信号待ちで4人ほどの男女混合一般ローディーグループに話しかけられます。

男1「こんにちはー!何キロブルベですか?」
私「600キロです」
女1「えー!すごい!どこまで行くんですかー!」
私「千葉茨城栃木群馬埼玉神奈川をぐるっと回る感じです」
女2「ヤバっ!(笑)頑張ってくださいー!」

なんだか600kmも走るのが少しイヤになってきました。

この時点での走行距離はまだ50km強。
まだ10分の1も走っていないことにショックを受けながらペダルを回し続けます。

そこからは木更津方面に走って富津で方向転換し、九十九里浜の南端である一宮のあたりに向かって房総半島を東西に横断します。
わかりやすく言うと、チーバくんの股間からお尻のちょっと上、背中あたりにズバッと抜けるイメージです。

千葉市を抜けてからは向かい風とアップダウンでスピードがぜんぜん乗りません。
しかもお腹が空いてきました。つらい。

富津のコンビニPCでしっかりとご飯を食べます。
サムギョプサル&ヤンニョムチキン炒飯。なにこれ美味しそう。
周りの会話をコッソリ聴いていると、ここからは追い風基調になるらしい。

再出発し、房総半島を横断しはじめます。
けっこう登って、けっこう下って、けっこう登って、けっこう下って、けっこう登って……
えっ、これいつまで続くの?
先ほどまでのアップダウンを5倍凶悪にしたみたいな道が続いていきます。
わりとしっかりとした登りのため、追い風感もあんまりありません。

ただ、平坦ブルベを謳っていることもあり、あまりヒルクライムが得意じゃない人も多く参加しているのか、珍しく他の参加者をパスしながらアップダウンをこなしていきます。

途中からパワー切れを感じつつも、何にもない田舎道を走り続け、九十九里浜(一宮海岸)に到着。
コンビニPCの駐車場で座り込んでたい焼きとシュークリームを食べていると、ちょうど夕焼けが海の方向に沈んでいくところが見えます。
ここまでの走行距離は180km弱ですが、距離以上に疲労感がすでにあり、本当に600kmも走り切れるのかと不安になります。まだ400km以上もある。

ここから銚子までは延々と九十九里浜沿いを進んでいきます。
地図上で見ると海に沿ってキレー!にルートが引かれていたので、てっきり大好きな海を見ながら60kmほど海沿いを走れると思っていたのですが、蓋を開けてみると自転車が通れる一般道からは砂浜も海も1ミリも見えません。つらい。

日が沈んで、あたりは真っ暗です。
海沿いを走っているのに海の気配をまったく感じられないまま、心を無にしてペダルを回し続けます。
どんどんと時間の感覚がなくなっていくなか、お尻が痛過ぎてほぼほぼダンシング(立ち漕ぎ)だけで進んでいきます。お尻の感覚がなくなればいいのに。

でもこの区間、平坦追い風ボーナスもあったこともありグロスは21km/hほど。
ヘロヘロな私には貴重な貯金です。

19時、銚子に到着し、コンビニPCでまたしっかりとご飯を食べます。
この先は茨城県。再び真っ暗ななか利根川を渡って川沿いを進みます。
はじめは1車線だった道が、徐々に車通りが増えていき、最終的には片側3車線ほどになりました。
交通量の多い道をしばらくの間走ったあと、霞ヶ浦(西浦)…ではなく北浦沿いの道に入ります。また真っ暗。

鹿島神宮のすぐ傍を通り過ぎ、水辺の近くということもあり少し身体が冷えてきたので、コンビニで小休憩。
時刻は21時過ぎ、良い子なのでもうお布団に入りたい。

そこからはどこを走っているのかイマイチよくわからないまま走り続け、日付を跨いだ頃、茨城は水戸に到着。
コンビニPCで食料を調達し、あらかじめ目をつけていた快活クラブに向かいます。

事前に候補としていた仮眠ポイントは水戸と宇都宮でしたが、もうすでにメンタルは終わりかけ。宇都宮まで保つ気がまったくしません。
一刻も早く横になりたかったので、迷わず水戸での仮眠を選択。
本当はホテルに泊まりたかったのですが、ギリギリ隊にそんな時間的余裕はありません。

快活クラブに着くとすでに何台か自転車が停まっています。
自転車を停めて気休めのワイヤーロックをし、荷物を持って店内へ。幸いにもフラットブースが空いていました。やったね。

コンビニPCで買っておいたおにぎりとカップ麺を食べ、早く寝れば良いものをTwitterを見てグダグダし、締め付けのキツいウェアを脱いで半裸になり、赤子のようにブランケットに包まって深夜1時半ごろ、ようやく眠りに着いたのでした。

続く。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?