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20代、片想いを始める話。

そう。この記事が思ったよりもたくさんの方の目に入ったのでそれだけでなんだか報われた気がした、と同時にこの人のことをさらに思い出した。

私、2年半片想いして終わらせたはずの彼(通称A君)を最近本当に思い出すんです。
事は遡ること数ヶ月前。
高校が一緒だった人から一通のDMがきた。
“金髪、似合ってるね”
A君を忘れることで精一杯な私は正直言うと全男を恋愛的にみてる。笑
“私のこと知っているの?”
彼とは一度も校内で話したことがなかったのでただただ私のことを知っているか気になってそう返信をした。

それから少しお話しした段階で遊びに行こうよ、と連絡が来る。
まあそうだよね。想定内。
空いている日にちを送っていつでもいいよと。
“じゃあこの日で、何かしたいことある?”
いや、別にないよとも言えず考えとくね。と返信したけどなんだかモヤッとした。
A君だったら日にちが決まると俺ここに行きたい、これをしたいと言っていたっけな。サラッと選択肢を出してくれて私に決めさせてくれて、、、
いや彼はA君じゃないんだ。。
どうにか頑張っていく場所を決めたのに、前日になって、彼から連絡の一つも来ない。連絡すると熱中症になっていた、だって。
いや、本当に熱中症だったのかもしれないけれどそれって明日はリスケしてって言っているの?無理なら君から断ればいいのに。なぜか私が気を遣ってリスケの提案をする。

一回リスケするとなんだか次の予定を立てても実現しないような気がしてしまって億劫になる。
元はと言えば蛙化現象を引き起こすくらい恋愛不適合者なのでまだ気になってもいない相手とご飯や遊びに行くのはかなり私からしたらハードルの高いこと。
それでも行こう!と思った矢先のリスケほど腰が重くなることはない。

まぁ仕方ないか。そう思ってまた仕事の休みを送って彼のせいでリスケしたのに私がデートプランをまた考える。
“明日ここでいい?”
の問いにいいよありがとうと来たのに、当日起きたらなんだか通知が光っていた。
“ごめん〇〇駅でもいい?”
その駅は私の家から一時間半もかかるし、小さな駅ビルしかない街、そう彼は自分の都合のいい場所に呼びたいだけの面倒な奴だった。
行く気なんて完全に無くしてしまったので仕事が入ったと嘘をつきその日も無かったことに。
もう彼のことは眼中に無かった。

数ヶ月経ってごめんと一言連絡が入った。別に気にしてないよ、だけ送るとご飯に行こうと。
もう面倒だなと思いながらもご飯なら二時間程度だしと思ったし、何よりもイケメンだからいっか。と、ついに対面した。



ありえないほどに残念な男だった。
まあ確かに私は彼に対していい印象を持っていなかった。けれどそれを抜きにしても残念すぎる人だった。
私の話を一切聞かずに、永遠と自分がモテる話を。
本当にご飯だけ食べてさよならをして、私はまたA君を思い出す。

未練なのか、ただの思い出なのかわからないけれど、私はこの人に会ってから余計A君を思い出しては恋しがるようになった。いや、A君が今になって驚くほどに素敵な人だったのだと、錯覚なのかはわからないが、してしまった。
好きと言う気持ちなのか、それがただの未練なのかなんて分からない、はずだったが、ある曲で彼への未練が完全に恋心なのを確信した。

“さよならを告げたあの日の唇が一年後
どういう気持ちで今あたしにキスをしてくれたのかな”

“可愛いひとなら捨てる程居るなんて云うくせに
どうして未だに君の横には誰一人居ないのかな”

数年ぶりに聞いた曲でましてやそこまで恋愛曲かって聞かれたら分からない
大好きな椎名林檎の“正しい街”のこの歌詞が痛いほど刺さった。
そして本当に君が言いそうな言葉だったから、余計に苦しくなった。

全部投影して、君のことを考えていた。完全にまだ思い出してしまう、唯一の人。
今日もまた君を思い出して、あの頃と同じ感情になる。

好きの定義って人それぞれだと思うけれど、
私は
仕事が終わった後に駆け寄りたい。
何かを思い出した時に真っ先に話したくなる人。

諦めたといいつつ今日の空が綺麗だと写真を送りたくなったのは君だったし、仕事で嫌なことがあると“ねえねえ”と連絡を取りたくなったのも君だった。
ただ、もうこれ以上自分が傷つきたくないという気持ちが諦めるという結果につながり、現に諦めたと言っても君のことを思い出しては頬が緩んだり、時に胸が苦しくなるのだった。好きってなんでこんなに面倒なのだろうか。

私と君を知っている共通の友達に話すと、ナナがまだ諦めきれていないのはわかっていた。そう言われた。わかっていたよ、私だって。諦めたふりをして君を思い出すのはただの気まぐれなんだ、情だ、そう思い込んでいたことなんて自分が1番わかっている。
君のことを知っている人は口を揃えて不器用だという。私から何かをアクションしないと始まらないし、ましてや始まるかもわからない。
女は追われた方が輝く、その方が幸せになれるのなんてわかってるよ。
それでも君のことを諦めて人生悔いが残るくらいなら、私は君をまだ好きでいたい。
君のことを私以上に好きになる人なんていないから本当に私を逃したら勿体無いよ。
20代、もう一度君に片想いを1から始めてみようと思う。

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