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できることを淡々と

エコマムの記事です。

化石を消費する日々
昨年12月の初めに「化石掘り」に行ってきました。上の子の通う理科教室が主催の松本市、長野市をめぐる1泊ツアー。小学校1~3年を主体とした親子、スタッフも含めて総勢30人あまりのマイクロバスの旅。かなりの山奥で、大型バスでは無理とのこと。補助席まで使ってのハードスケジュール。しかも雪がチラチラ。どうなることやらと心配しながら松本へ。

けれども、山の中腹にむき出しに見える鯨の背骨の化石が見れたり、礫の詰まった地層が見れたり。なによりも、河原のスポットに行くと、ふと手にした石に鱗の化石見つかる。参加者一同、寒さを忘れてもくもくと土を掘り返す。お父さんたちの目がキラキラ。

1200万年前ごろの化石だという。その昔、長野が海の底だったころから、1200万年もずっとここにあって、たまたまやってきた私たちの手に。そんなことを思うとクラクラしてしまう。そんなにすごいものを、こんなふうにガサガサ採っていいのかな、と思いながら、カナヅチで土を崩す。

毎日、無意識にお世話になっている
翌日は戸隠の奥へ。ここでは雪のため採取は中止。化石資料館で資料の解説を聞き、用意してくださってた化石を使ってクリーニング作業。学芸員の田辺さんの解説がすごく魅力的。ボーンコレクターを自称する方で、化石のみならず、形に意味があることを丁寧に解説。子どもも大人も身を乗り出し、帰りにはすっかりみんながファンになってしまった。

その解説の始まりが「皆さんは毎日、化石のお世話になっているんです。みんなの着ているものも、持っているものも化石を使っているんだよ。毎日の生活もね」そういえば、そうだった。迂闊にも石油や石炭が化石であることをすっかり忘れていた。あの河原で「こんなに掘っちゃって、大丈夫なのかなー」という後ろめたいような感じが、毎日どんどん使っているであろう「石油」につながる。こんなに掘っちゃったら、なくなるんだよなー。

夏のホテルツアー
それで、思い出すことがもう一つ。上の子はこの間の夏、「ホテルマン体験ツアー」というのもやっている。「わざわざそんなことやらなくてもいいんじゃいかなー」というこちらの逡巡はよそに、お父さんと本人とで決定。厨房でケーキを作ったり、スイートの部屋やボイラー室を見たり。本人は大満足。だけど、そのとき聞いてきた話で、ショックなことが一つ。

「このホテルの1日に使う電気は一般家庭の1年分です」。
がーん。びっくりした。都内は新しいホテルの建設ラッシュ。毎日、何年分もの電気が…。なんだか気分がぐるぐるしてしまう。考えてみれば当然なのだけど、節電とかいってパチパチ消しまくってるのは、何ナノ!! というむなしいような、腹立たしいような。

「できることを淡々と」という科学者
そして、そんなことをかつての農学部友達で筑波大で本物の科学者になっている友人に愚痴ったら、「僕の若い友人が『エコってできることを淡々とやることだと思う』と言っていた。すごいと思う」と。

確かに。できることを淡々とやることだよね。あわてず騒がず、少なくともできることを、ちゃんとやる。それしかないものね。
今年の目標。できることを淡々と。

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