見出し画像

悪口に加担しない話法

エコマム記事です。そうそう、この頃は毎週のようにどこかの学校や市民会館的なところで講演に出かけていました。まさか、ハワイで暮らすことになるとはこれっぽっちも考えていませんでした。人生、何があるかわからないですね。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

このあいだ高崎市の中学校でPTA向けの講演を引き受けた。なんと、その中学の先生がたのなかに、私自身の中学時代の同級生が!! 社会科の先生と聞いて納得。彼、社会が得意だった。親の転勤にくっついて、いろんなところに行って「さよならだけが人生だ」みたいに思ってたけど、こんな再会があるなんて本当にびっくりです。

女友達とのうわさ話
思えば中学生のころ。女の子たちで集まっては、ついついそこにいない子の噂話から悪口になる、というおしゃべりパターンを何回も経験した。そして、ふとこれはまた、逆もあてはまるということに気づいて、がっくりもした。つまり、自分がそこにいないときは、もしかしたら自分の悪口を言われているのではないか、と。

ちょうど、みんなからどんなふうに思われているのか、が気になる時期であることも重なって、見かけの大胆さとは裏腹に、心の中はかなりビクビクしていたように思う。

さすがに高校生ぐらいになると、この「悪口を言いいあうのって、人間的にどうなの?」という気分が働いて、なるべく参加しないようにと心がけるようになった。けれども、友だちたちが始めてしまうだれかの噂話に参加しない、というのはなかなか難しい。「○○さんって、いつも派手よねー」「このあいだのバッグ、すごいブランドだよ」「へ~、そうなんだ~」とのらりくらりと同意を避けていると「ちょっと、あなたはどっちの味方なのよ!!」みたいに責められたり。逆に「奈々さんもそう言ってた」と伝わって、「ひどい」とクレームがきたり。なるべく、そういう話題になりそうな場面を避けることでなんとか回避してきた。

一緒に悪口を言わないために
ところが、義理の関係というものが出来てからは、回避することもままならない事態に。最も応答に苦慮するのが義理の母から聞く彼女の息子(つまりは私の夫)に対する愚痴。たとえば、「本当にあの子は口のきき方がぞんざいだ。親に向かってああいう物言いは無い」。それに対して、「は~、そうなんですか~」ととぼけるわけにもいかず。うっかり「そうですよね。本当
に彼はひどい」なんて同意してしまうことは、何とか避けなんくてはならない。

「そんなことないですよ~」と言ってみても「あら、私の言うことに逆らうの?」と気を悪くするのではないかとびびったり、いかにひどいかを、ますます言いつのられそうに感じたり。どうお応えしたものかと思っていたときに、編み出した言い方がある。

それは、自分自身がどう思っているかは別にして、言っている人の気持ちに焦点を当てて返す、という言い方です。

だれも悪者にしない言い方
たとえば、上記の例で考えると「そんなふうな言い方されたら、傷ついちゃいますよねー」のような言い方だ。私が彼女の息子(私の夫)に対してどう感じているかは置いておいて、お義母さん自身、どう感じているかを言葉にしてみる。「がっかりしちゃう」とか「腹がたつ」という言葉でもいいかもしれない。「ぞんざいに言われたら、腹がたちますよねー」のように。
この言い方を見つけてから結構、重宝している。

たとえば、不登校の子どもとカウンセラーとして面談するとき。彼女からお母さんについての愚痴を聞くというようなとき。「お母さんたら、妹ばかりかわいがるんだ」のように。

お母さんの悪口を一緒に言ってしまうわけにはいかない。だからといって「そんなことないよ」と子どもの言っていることを否定してしまっては、関係が壊れてしまう。そんなときに「自分だって、同じようにかわいがってもらいたいよね」のように、語り手の気持ちに焦点を当ててみる。

この言い方、だれも悪者にしないですむところが気に入っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?