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野草食日記 213 クサギナかけ飯 なな艸風

取り寄せた乾燥クサギナで早速クサギナかけ飯を作ることにしました。
クサギナかけ飯とは、前回の投稿でも書きましたが、ご飯の上に色んな具材を載せたところに鶏のスープをかけてお茶漬け風に食べる、山陰地方の郷土料理のことです。

普通の主婦が日常生活を営みながら作ることができる、これが私の目指すところの料理です。
クサギナかけ飯を紹介したテレビ番組の動画では、水戻ししたクサギナを10時間かけて煮るとあったのですが、これは時間がかかりすぎるのでボツ。

自分の持っていた鶏飯のレシピや様々なウェブサイトを比較検討し、できるだけ手間をかけず見栄えの良いレシピを考えました。

クサギナは調理をすると色が黒くなるので、単体だとかなり地味です。
なので、彩りとしての人参や錦糸卵は欠かせませんし、メインの具であり、スープの素となる鶏肉も外せません。
クサギナ、人参、錦糸卵、鶏肉。
この4品があれば、とりあえず丼として形にはなるかな?!と思ったのですが、せっかく作ることだし、ここにやはり笹がきごぼうを薄味で煮たのと、甘辛く味付けした油揚げを加えることにしました。

油揚げを加えたのは、前出の動画サイトで見たレシピに炒り豆腐が使われていたところを、豆腐を水切りする一手間が時間がかかるし面倒だったので、パッと煮つけることができる油揚げで代用しようと思ったからです。

クサギナは水戻ししたのをざく切りし、甘辛く炒め煮にするだけで簡単に、人参は千切りにしたのを塩茹でします。
鶏の胸肉は軽く塩をしてしばらく置き、そのあと鍋で酒蒸しします。

肉を取り出した鍋に水を加えて煮立てスープにしますが、そのままだと、肉のピラピラが浮いているので、サッと網で濾します。
味付けは塩のみ。
取り出した肉は、手で裂いておきます。

具材で気を使ったポイントは、濃い味のものと薄味のものとでメリハリをつけたことです。
濃い味のものはくさぎなと油揚げ。
薄味のものは、人参、ごぼう、錦糸卵、鶏肉です。

さて、気になるお味の方は?!
いやはや、様々なる味、食感が渾然一体となり、絶品!でありました。

それでも6種類を素材別に用意し、スープも作るとなると、やはりそれなりの時間がかかります。
更なる時間短縮をしたい場合は食感の良さで外すのが惜しいところですが、ごぼうは具材から外して、クサギナと油揚げを一緒に炒め煮にすると良いでしょう。

クサギナは、乾燥品を使わなくとも生葉を茹でてアク抜きしたもので同じ味になると思いました。
それでは、なぜわざわざ乾燥させるのか?
そのヒントをこんなところに見つけました。

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                        JA阿新ツイッターより

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       ブログ「吉備野庵」より https://zenmz.exblog.jp/13475499/

野菜が不足する冬や飢饉のための保存食ということなのでしょうね。
新緑と色とりどりの花が咲き誇る、温かな季節に想いを馳せながら、冬枯れの時期に初夏の味を楽しむ。
なんと素敵なタイムトラベルでしょうか。


野草の勉強や観察会のために使いたいと思います。