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菜園料理の記録 17 クコと高麗人参とホーリーバジルティー🌱アダプトゲンは虚弱体質を救うのか?!

1.虚弱体質とクコの薬理作用

①虚弱体質はしんどい

子供の頃から割合、虚弱な体質でした。
思い返してみれば学生時代は月〜金は学校、土日はバイトを普通にこなしていたので、それも若さゆえだったのだろうという気もしなくもないのですが、社会に出て以降子育て時代にかけては、ストレスも多分にあったのでしょう、体調不良に悩まされる日々が続きました。

若い頃はちょっと身体が弱くても、親に頼ったり、学校休んじゃえ!とのほほんとしたものでした。でも、社会人になったり自分が親になったりすればそうも行きませんよね。
20代以降は鍼治療を始め様々な治療法、漢方薬など何年も試し続けました。
結婚してから後は、体力気力が続かない身体を持つ自分自身を、ず〜っと責めていたなぁと思います。

50代後半になった現在も、タイトなスケジュール組みはできません。
ひとつ予定を入れたら身体を回復させる時間を必ず取るようにしています。

体力バッチリな夫は常に動いていて、ほんと見ていて羨ましいです。
その強い身体、私にも半分分けて欲しいといつも思います。

②クコとの出会い

昨年3月、藤沢のゆいの畑でクコに出会いました。
クコと言えば杏仁豆腐の上に乗っている赤い実に馴染みのある方も多いでしょうが、ゆいの畑で採取して味わったのは葉のほうです。

ゆいの畑のクコの葉

少々パンチのある味わいに魅了され、その後クコについてネットや本を当たっていた時、東城百合子さんの「薬草の自然療法」の中にこのような記述を見つけました。

昔の人は、生まれつきの腺病体質をクコを飲むことで改善し、延命長寿の薬効を伝えてきました。

薬草の自然療法 東城百合子著 p92より

腺病体質という言葉は初耳です。
早速調べてみると、「体格が貧弱で貧血気味の、虚弱で神経質な子供の体質」(コトバンクより)なのですって。
私が子供の時、貧血気味で神経質だったかどうかはさておき、とにかく虚弱だったことは確かですから、クコを常々食べていたら体力が向上するかも!と一筋の光を見出したような気持ちでした。
クコを畑で育てたい・・・と思っていたら、引越しで育てられなくなったクコの大株をドン!とこの5月に分けてもらうことになりました。

でも悲しいかな、畑に移植した途端にナス科の宿命でニジュウヤホシテントウに食べられること、食べられること。
根っこさえ残っていれば、どんどん芽吹くクコなので、秋に新芽が吹いてくるのを期待したいと思います。

ニジュウヤホシテントウの被害に遭ったクコ
枝を切り詰めて、秋に期待

2.中国の薬酒作り

子育て時代に漢方薬のお世話になり、効果があることを実感していました。
でも、漢方薬ってお値段がサスティナブルではないのですよね。
月、1万3000円くらいはゆうにかかってしまう。

そこで数年前から始めたのが、生薬をホワイトリカーに漬け込む薬酒作りです。
これだとお薬を処方してもらうのに比べれば、かなりお安くできます。
今は十全大補湯というミックス生薬に、乾燥蒸し生姜を追加し、味を良くするために息子のウィスキーをこっそり拝借して加えています。
更に、身体を温める花椒も投入しようと目論んでいるところ。

十全大補湯は耐力と気力を補い、元気を取り戻すのを助けてくれる
冷え性で貧血気味、疲労衰弱がひどい時に用いる
使われている生薬は
黄耆(オウギ)、桂皮(ケイヒ)、 地黄(ジオウ)、 芍薬(シャクヤク)、
蒼朮(ソウジュツ)川芎(センキュウ)、当帰(トウキ)、
人参(ニンジン)、茯苓(ブクリョウ)、 甘草(カンゾウ)
氷砂糖も入っているので結構美味しい

今年は2月から頑張りすぎて、ゴールデンウィークに寝込む羽目になりました。
その時はおなかがカッチカチに固くなり、身体に震えが出るくらいだったので、漢方の専門家にネットで相談。
処方されたのが大建中湯、黄耆建中湯、当帰のミックスでした。

これは十全大補湯ととても似ている処方でしたので、薬剤師の先生に自分の作っている薬酒と併用して良いか尋ねてみました。
すると、ほぼ同じ仲間のお薬だから、いいですよとのこと。

さっき蒸し乾燥生姜と花椒を加えると書いたのは、5月に先生から処方されたお薬により近づけるためです。
また、十全大補湯に含まれている「地黄」は胃が強くない私にはあまり向かないので、次回薬酒を作るときは、大建中湯、黄耆建中湯に当帰を加えた帰耆建中湯を取り寄せて仕込むつもりです。

ところで、十全大補湯に含まれている、人参は高麗人参のことです。
大建中湯にも配合されています。
横浜中華街には漢方食材を扱うお店があり、これまでも時々訪れては棗や花椒などと一緒に購入していました。
高麗人参は元気をつけたい時に参鶏湯や漢方スープ作りに利用していました。

3.ホーリーバジルティーとアダプトゲン

①ホーリーバジルはただものではない

初めてホーリーバジル(トゥルシー)のお茶を飲んだのは、もうだいぶ前のこと、逗子にあるシネマアミーゴでのことでした。
確か、「水の記憶」という映画を見に行ったときに、映画が始まる前にカウンターで注文したのだと思います。

シネマアミーゴ
写真はreal local 湘南より拝借してます

お茶にを口にしたときに、これもやはりパンチがある風味に魅了され、自分でも育ててみたいと思いました。
当時藤沢に住んでいて、ガーデニングに十分な環境ではなく、小さな鉢で育てたら、すぐに根詰まりしてしまいました。
それでも、少しばかり収穫できた葉をお茶にしたら、体の中から底力が湧いてくるような不思議な感覚で、コイツただものではないと思ったものです。(笑)

この春、ご近所さんからホーリーバジルの種を分けてもらいました。
種蒔きしたらどんどん成長し、今はもりもり元気に畑で風に揺られています。

摘んでも摘んでも脇芽が成長するホーリーバジル

育てるのは何年ぶりでしょう。
1日に一回は必ずお茶にして飲んでいます。
今も昔も、飲むと底力が湧いてくる感覚は同じですが、新たに気づいたことがあります。
それは飲んですぐに身体がカーッと熱くなり、汗が出てくるのです。
どういう仕組みかわからないけれど血行が良くなるのは確か。
なんか、やっぱりただものじゃないよ、これは。
ということで調べました。

耐熱のグラスにホーリーバジルと熱湯を注ぐ

②アダプトゲンというハーブについて

ホーリーバジルについて、ネットで検索していると必ず出てくるキーワードがありました。
ホーリーバジルは「アダプトゲン」なんだそうです。
アダプトゲン、なんじゃそりゃ?!

アダプトゲンとは、トラウマ不安、肉体的疲労などのストレスへの抵抗能力を高める働きのある天然のハーブである。どのアダプトゲンも抗酸化物質を含んでいるが、抗酸化物質がすべてアダプトゲンであるというわけでもなく、抗酸化作用がアダプトゲンの第一の作用であるとも言い難い。

アダプトゲンに関する認識は数千年前の古代インドや古代中国までさかのぼるが、本格的な科学的研究が始まったのは1940年代後半になってからである。1947年、Nikolai Lazarev 博士はアダプトゲンを、「体に悪影響を与える物理的、化学的、または生物学的なストレッサーを、非特異性の抵抗力を高めることによって撃退するもの」と定義した[1]。

1968年、Israel I. BrekhmanとI. V. Dardymovは正式に次のような実用的な定義を発表した。

服用者に無害であること
非特異的な反応を示すこと-つまり、物理的、化学的、生物学的な様々なストレス因子に対して抵抗力を高めること
生理機能を正常化すること;標準値からどの方向にずれても正常値に戻すこと
つまり、アダプトゲンとは通常の用量では無害で、特定の対象のみではないストレスへの防衛反応を作りだし、そして身体を正常化する作用を持っている。アダプトゲンは、視床下部-下垂体-副腎系(hypothalamo-pituitary-adrenal axis)を正常化する。定義によると、アダプトゲンは天然の、恒常性、代謝調節機構の新しいパーツとなってくれる。

アダプトゲンは、内分泌性ホルモンや免疫システムのバランスを保ち、私たちの体のホメオスタシスを最適に維持してくれるという点で他の物質と比べてユニークであると主張されている[1]。アダプトゲンの正常化機能は、機能が亢進した器官の働きを抑えることも、機能の低下した器官の働きを強めることもできる。しかし、長期間のストレス下に対抗するためのアロスタシス-つまり、ホメオスタシスのように血圧などを固定された一定値に維持するのではなく、環境に適応できるような値に保つ機能-にも有効に働く[2]。

Wikipediaより

ちょっと難しいですが、要約すると、ストレスから身体を守り、抵抗力を高めてくれるハーブということのようです。

驚いたのはこの先。
「現在知られているアダプトゲンのほとんどは、アーユルヴェーダか漢方で伝統的に使用されてきたもの」で、そのリストがWikipediaには載っていました。
リストの中には、ホーリーバジルの他、高麗人参、クコも含まれていたのです。

知らず知らずに、パンチがある風味で好きだなぁと思ったり、身体が元気になるなぁと感じたりするものは何だかほぼ「アダプトゲン」だったのでした。
私が追い求めていたものがここにあった。

③ホーリーバジルティーを毎日飲んでみた体感

前にも書いたように体力気力が続かない私ですが、昨日所用で鎌倉に出かけ午前中少しタイトな仕事をしました。
普通だったら、ヘトヘトになり、ご飯を食べてすぐ帰ろうとなるのですが、この日は昼食後に、暑さの中15分程歩きドーナツを買いに行こうと思い立ちました。
ドーナツを購入後、更に海に向かい数分歩いたところにあるカフェで休憩。
そして鎌倉に戻る途中、生地屋のスワニーに立ち寄ってあれこれ布選びをするという、私にとっては暴挙と言わざるを得ない行動に出ました。

材木座のべつばらドーナツを買いにいった

家に帰ったらご飯作りどころではないだろうと覚悟していたのに、実際は少しばかり休憩したのち、普通にご飯作りをしました。
疲れた体に鞭打ってという感じではなく、軽くこなせたので我ながらびっくり。

翌日こそは疲れが出るだろうという予測も外れ、朝、畑仕事をしたあと、この記事を書いています。全く疲れていないという訳ではなく、日常生活に支障がないくらいの疲れはもちろんあるのですが・・・。

4.まとめ

この春に友人からお灸の手ほどきを受け、セルフケアを続けています。
オイルでリンパマッサージをしたり、Youtubeでマドモアゼル愛さんの2160hzの音叉の音色を聴きながら(この音は疲れにくくなるんだそう)、目を瞑って何も考えない時間を持つこともしています。

今回疲れをあまり感じなかったことは、全てがアダプトゲンが原因とは言えず、色んな要因が重なって、そのトータルとしての結果が現れているのでしょう。
ドーナツ屋やカフェに行くこと自体は、自分にとっては癒しの時間でもあるし、ストレスの発散になっていると思いますしね。

けれども、ホーリーバジルティーや中国の薬酒なども確かに一因となっていると私は感じています。
クコも上手に育てて、ホーリーバジルや薬酒同様、美味しく食べ健康に役立てていきたいと思います。

そろそろシニアと呼ばれる年代になってきました。
出来るだけ自然に寄り添った形で、日々元気に生きる術を身につけ、楽しく仕事や生活を続けられることが、これからの私にとって何より大切なことだなとしみじみ思います。




野草の勉強や観察会のために使いたいと思います。