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野草食日記 346 真夏のミックス野草ナムル

以前「色々野草のナムル」というお題で投稿したのが去年の5月3日のことです。

その時使っていた野草は、
明日葉 長命草 三つ葉 オオバコ イノコヅチ。

この夏も庭と畑を一周して摘んだ野草でナムルをしばしば作っていますが、
あの頃とまたメンバーが変わっています。

夏が盛りの野草で柔らかくて美味しいのがイヌビユです。
零れ種で、毎年畑のあちこちに生えてくるのを抜かずに育てています。
ほうれん草に似た味わい。

そして、飛騨から種を取り寄せて今年初めて育てているのがメナモミです。

左がイヌビユ アマランサスの仲間で葉っぱだけでなく粒々の穂も一緒に食べている。
右がメナモミ とーってもビッグな草で畑のフォーカルポイント的役割も担っている。

数ヶ月前、私より少し年上のご近所さんで、普段とても元気な人が脳の疾患で入院されました。年齢的にも明日は我が身、血管を詰まらせないようにすることの大切さを思い知らされています。
メナモミは、血栓を防ぎ血流を改善する効果があるのだそうです。
時々収穫して食べることで血液がサラサラになるのだったら、それはとても嬉しいことですよね。

イヌビユ同様、柔らかくて食べやすいのがベニバナボロギク。
摘心をすると、次々に瑞々しい脇芽が出てきて延々と収穫できます。

8月中旬で既に花が咲いている
葉のトップを収穫すると、脇芽がどんどん出てくる

ところで、ベニバナボロギクはピロジジンアルカロイドという天然毒を含んでいます。フキに含まれるのと同じ毒成分で、水溶性であることから、日本ではフキをアク抜きをして安全に食べてきた歴史があります。

ベニバナボロギクを毒草という人もいますが、生で食べてもアクは少なく、ピロジジンアルカロイドの量はかなり少ないのではないでしょうか。
生や炒めてよほど大量に食べるのでなければ、さほど心配はないと思われます。
今回のようなナムルの場合、一度茹でるので心配しなくても大丈夫です。

昨年5月のナムルにも加えていたイノコヅチは真夏の今も健在です。
収穫を兼ねて摘心すると、新たな葉が生えてくるのでその柔らかなところを摘んでいます。

蕾がつき始めているイノコヅチ

イノコヅチは味に癖はないけど、歯触りが硬いのが玉に瑕。
そんなちょっととっつきの悪い野草でも、イヌビユとベニバナボロギクの柔らかさが、食べにくさを緩和してくれます。
歯触りが悪い草が今日は多いな、という時はいつもより細かく切って、胡麻油を多めにすると少し食べやすくなります。

アオミズは、いつもは味噌汁の浮き実に少量使うだけでしたが、8月になると丈がグンと伸びて、他の植物を覆うほどに育ちます。浮き実にちまちま使っているだけではとても間に合いません。
そんなことでナムルにも使うようになりました。
香りも味わいも違和感なく収まってくれています。
結構珍しい野草みたいなのに、うちのように蔓延りすぎて除草しながら使うのは贅沢なことかもしれませんね。

庭に零れ種で自生しているアオミズ
丈が伸びてシロタエギクが埋もれたようになってしまった

キクイモの葉。

夏の直射日光に当たって葉はかなり固くなっている
先っぽの柔らかいところだけ摘んで、残りは堆肥に

一度植えたら、図らずも土中に残った芋からどんどん生えてきてしまうので、除草しつつトップの柔らかな部分をナムルに混ぜます。
これもイノコヅチ同様、歯応えは固め、細かめに刻むと良い部類です。
香りに少し癖がありますが、他の野草と混ぜると風味がアクセントになりさほど気にならなくなります。

この他に、野草ではありませんが、野菜として栽培している金時草も伸びてきたら加えています。

住んでいる環境によっては、沢山の野草が手に入らないという人もいらっしゃるでしょう。
そんな時は、買ってきた小松菜やほうれん草などに少し野草でを混ぜてみてはどうでしょう。
野草の鮮烈な風味が加わり、青菜一種類で食べるのとは違う複雑な美味しさを体験できると思います。

うちのナムルの作り方
1.  野草を茹でて1時間ほど水に晒しておく。
2.  胡麻を擦る  〜黒胡麻でも白胡麻でもお好みで
3.  2に醤油を入れる
4.  茹でた野草を入れて混ぜる
5.  胡麻油を加え混ぜる

その時の気分で、4のあと韓国食材店で買ったエゴマ粉を混ぜたりもします。
改めて調べてみたら、エゴマの実にはメナモミと同じく血栓を予防する効果があるみたいです。


昨年食べていた長命草は、残念ながら絶えてしまい、実った種を蒔きましたが、それも発芽すらしませんでした。やはり海沿いに生育する植物だからこの土地には合わないのかもしれませんね。

青い葉っぱは、2日に1度は身体が欲して作ってしまう

野草の勉強や観察会のために使いたいと思います。