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子どもでも。大人でも。

初めての現場での仕事の時。
言いにくいけど大切なことを誰かに伝える時。
自分の心にぐっと力を込める瞬間がある。
大人になって社会に出てから何度も経験してきたその瞬間が
子どもにもあることを感じて、私はこの夏、はっとした。

幼稚園年長さんの我が家の双子。
この夏は、初めて親元を離れてのお泊り保育があった。
不安もありながらも
「お友達と夜もいっしょにいられるなんて、楽しみすぎる!」
と言っていた双子たち。

出発前夜、子どもたちが寝てから翌日の荷物の確認を
していると、お泊り保育のしおりがでてきた。
パラパラとページをめくってみると、
大きく、はっきりとした文字が目に飛び込んできた。


「ままとはなれてもなかない」

いつもは小さく薄い字で書くことが多い次女が、
力を込めて書いたことが分かった。
母にも見せず、自分の心に言い聞かせるように書いたのだろうか。
きっと、心にぐっと力を込めて書いたのだろうと思うと
私はほろっときてしまった。


初めてのお泊り保育という大冒険を終えて帰宅した子どもたち。
帰ってきた双子の様子は対照的だった。
長女は何がそんなにおかしいのか大爆笑していて、
決意を書いていた次女は、親の顔を見るとわっと泣き出した。

子どもも、大人も不安だったり緊張したりすることは必ずある。
私はすぐにドキドキしてしまうたちなので、大人になってもその場面が多い気がする。そんな場面にまた出会った時、きっと私は次女の言葉と文字を丸ごと思い出して勇気をもらうことだろう。

「ままとはなれてもなかない」
私のお守りになる思いが、またひとつ増えた。




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