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大好きな家族に触れてもらうこと~ミュージックケアとタッピング~

ミュージックケアには、体をトントンする、「タッピング」がたくさん出てきます。おなか→おしり→頭→ほっぺ、の順にタッピングしたり、腕や足をタッピングしたり。今回はこの「タッピング」について、最近感じたことをまとめてみました。

今回のお話*****************************

■ 「タッピング」って楽しい!

■ その手には「思い」がのっている

■ 大好きな人、信頼できる人

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■ 「タッピング」って楽しい!

自分の体や、お子さんの体、ママの体をトントンするタッピング。赤ちゃんからお年寄りまで、障がいがあってもなくても誰でも楽しめるミュージックケアにおいて、タッピングは、赤ちゃんや、体を動かすことが難しい障がいのある方も楽しめる、とっても素敵な活動だなと思っています。音楽に合わせてと体に触れてもらうことで、リズムを感じることができる。信頼できる人の温かさを感じることができる。触れたり、触れてもらうことで気持ちを通じ合うことができる。
自分で自分の体をタッピングするのもまた楽しい。体の凝っているところは強めに、ここはちょっとやさしく、体を目覚めさせたかったら強めに、疲れてるときは弱めに。自分の気持ちや体調に合わせて力加減を調節すると、なんだか体が楽になったりします。
「ただ、トントンするだけ」と、侮るなかれ。やってみないと分からない楽しさがあります。

■ その手には「思い」がのっている

4月から職場が変わり、障がいの重いお子さんたちと関わるようになりました。そして、たくさんのお子さんの身体に触れるようになりました。当然、今まで自分の体にしてきたようなタッピングをするわけにはいきません。そもそも、今触れてもいいだろうか、いやじゃないだろうか、どのくらいの力で触れたらいいだろうか、痛くないかな、強すぎないかな。自分や息子にタッピングするとき、そこまで気持ちを込めてこなかった私・・・職場で、いろんなことを考えながらお子さんに触れるようになったことで、触れ方、タッピングの仕方について、いろいろと気づかされました。

重い障がいがあるお子さんの場合、自分の手、腕、背中、お腹などの感覚を感じ、自分の体をイメージできるよう、私たちがお子さんの体に触れたり、タッピングをしたりする活動をします。ここが足の裏だよ、足の親指だよ、ここが腕だね、そんな風に語りかけながら触れていきます。地面を踏みしめる感覚を感じるためにちょっと強めにタッピングする。指の先を意識できるようちょっと力を入れてピン!と跳ねるようにつまむ。相手にどんなことを伝えたいか、どんな風に感じてもらいたいか、触れる手には思いが詰まっているんだな。そんな風に感じました。

音楽の時間も同じです。「ほら、音楽を一緒に感じよう!」とノリノリでタッピングする。「静かな曲だね」とゆっくり優しくタッピングする。「一緒に聴こう」とただそっと手に触れる。自然と思いを込めて、いろんなタッピングをしている。子育てでも同じです。寝かせるときは優しくトントン。元気出してほしいときは元気に、慰めるときは優しく。私たちは自然と、その手に気持ちを込めている。そんなことを実感しました。

■ 大好きな人 信頼できる人

私は障がいのあるお子さんの体に触れることに関して素人です。そのため、息子たちにお願いして、触れ方の練習させてもらうことがあります。その時驚いたのが、息子たちがとっても嬉しそうにしたことです。じっくり向き合って、「痛くない?」「次は腕だよ」など声をかけながら優しく触れる。タッピングする。なんだかうれしそうな息子を見て、「あ、いやじゃないんだ」「うれしいと思ってくれるんだ」と私もうれしくなりました。やっぱり、パパやママ、大好きな人、信頼できる人が、自分にしっかりと気持ちを向けてくれ、触れ合うことってうれしいことなんだな、って改めて思いました。

ミュージックケアは母子分離せず、信頼できる大人と一緒に楽しみます。その上で、触れ合いながら楽しめる曲がたくさんあります。様々な身体表情表現、楽器を使いながら音楽を聴く。聴くことで、周りの人の存在を感じられるようになり一緒に楽しめるようになる。一緒に楽しめるようになると、そこにスキンシップや会話が生まれる。

そんな時、信頼できる、大好きな人の温かい手が触れてくれる。その手にのった思いを感じられる。人とのつながりを心地よいもの、と感じてほしい。自分の世界を広げて、たくさんの人と関わってほしい。そうなるには、思いののった温かく優しい手に触れてもらう経験、温かく優しい手のサポートが大切だなって思います。

ミュージックケアでは、そんな温かい手でふれあいながら楽しめる機会がたくさんあります。どう触れたらいいのか分からなかったとしても、ミュージックケアの基本曲の中で、自然に触れ合える。息子と一緒にミュージックケアができる、この時間を大切に、たくさん思いを込めて触れ合いたいなって思います。

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