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後輩は言った『西表山猫みたいです』

それは数年前のある日。
私は多分、生クリームを力の限り泡立てていた。
後輩は苺のカットなどをしていた気がする。

まぁ、作業はなんでもいい。甘いものに関する作業のどれかだ。

そんな作業中に、二人でしたお喋りの中で後輩は私のことを『西表山猫みたいだ』と言った。

皆さんは西表山猫をご存知だろうか。

日本の南西にある離島。西表島の固有種。
ベンガルネコの亜種という位置づけらしい西表山猫は模様が美しくとても野性的。


西表山猫に似てる?どこが?と私は思った。
だから、後輩に『どの辺りが?』と聞いてみた。

後輩は手元の作業は器用にこなしつつ、私の質問に答えた。

『西表山猫って、西表島に行かないと会えないじゃないですか。nanafusiさんの事を知ろうって思ったら「(私の事を知りたければ)西表島まで来い」って感じだから、西表山猫です。』

…お、おう。たしかに。

後輩は続けてこう言った。

『だから、世の中の普通の男性だと結局、上辺のnanafusiさんしか見えなくて、だから恋愛楽しくないんじゃないですか?西表島まで、足を運んででも知りたい人じゃないと…』

お、おう。その通り…な気がする。

私と後輩は、コイバナをしていたらしい。
まぁ、私は恋愛が上手く行かない人間だった。
上司には『ダメンズウォーカー』と呼ばれていた。


『会いに行かなければ、知ることのできない西表山猫』言い得て妙。

後輩は素晴らしく良い子で美人で面白くて、私が男なら付き合いたい子No.1なのだ。そのうえ、私に理解があるなんて!もう!好きだっ!

『後輩ちゃん付き合おう〜!!好き!』

『嬉しいです!私も付き合いたいけど彼氏いるから…ごめんなさい!』

秒でフラレた。
まぁ、ここまでが私達のお喋りのセットなんだ。

甘い香りのする工房で、他愛のないお洒落べりは続く。(喋りすぎだろ…)

そんな何気ない日常を思い出す。


因みに私はその数年後『巣穴』と結婚する。

本当は『観察者』が理想だったが、まぁ、西表山猫ほどの魅力は私にないので(むしろ魅力値はスカスカなんじゃないか?)、私を見にわざわざ足を運ぶ変人は現れなかった。

仕方ない。私は私が歩き回って現在の『巣穴』、、じゃなかった『夫』と出会った。

夫は巣穴と私に思われているように、私を知るために歩き回ったりはしない。
かわりに何時帰っても一定の安定さで私の安心を提供している。どんな私もある程度(巣穴の強度に応じて)受け入れる。

夫は巣穴なので、出かけている最中の猫の事など知る由もない。私が巣穴でおこすアクション以外を彼は積極的に知ろうとはしない。

まぁ、そういうのもありか。
ちょっと物足りないが。

なんて私は思う。


あなたは生き物に例えたら何に似てるんだろう?
森ですれ違う仲間なのか、はたまた観察者なのか、通り抜ける風なのか……


ここまで読んでくれて有難うございます!

ダメンズウォーカーとか死語かな?
西表山猫は私の性質の一面です。
あとは、森とか流れ星に似てるところもあると自分では思っています。

立ち位置でかわるものを様々なものに当てはめて考えると人間って本当に色とりどりですね。

さぁて、今日は仕事だ…土曜の接客業は…気合を…いれましょう。(明日と明後日は休み貰えました)

お休みの皆様、素敵な週末を!
お仕事の皆様、頑張ろー!








サポート設定出来てるのかしら?出来ていたとして、サポートしてもらえたら、明日も生きていけると思います。その明日に何かをつくりたいなぁ。