彼女生産工場

・生産してから5年稼働するもISO(いっそ嫁にしては?)認可が上手くいかず、泣く泣く他所の工場に引き渡す。
・製造に10年以上かかったのに、謎の初期不良を訴えそのまま姿を消す。

などうちの小さな町工場は、これまで数回生産するも失敗続きだ。

だが、ここ最近どうやって生産していいのかすら、わからない状態が続いてた。
機械も古くなってるし、この冬なんて全く動いてない。
「もう生産しなくていいのでは?

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読書メモ 2 「口づけ」

(1)
「俺はね、ここを去るにあたって、世界じゅうでせめてお前くらいは味方かと思っていたんだよ」思いがけぬ感情をこめて、ふいにイワンが言った。「だが、今こうして見ていると、お前の心の中にも俺の入りこむ場所はなさそうだな、隠遁者の坊や。《すべては許される》という公式を俺は否定しない。だからどうだと言うんだね、そのためにお前は俺を否定するのか、そうなのかい、そうだろう?」
 アリョーシャは立ちあがり、

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【百科詩典】へんなはなし【変な話】

まことに逆説的なことですけれど、「誰もしないような変な話」をする人の方が「誰でも言いそうなこと」を言う人よりも、ずっと説明がうまくなるのです。
あまり言う人がいませんけれど、これは僕が長くさまざまの人の書いたものを読んできて得たひとつの経験知です。「変な話」をする人は説明がうまい。
そして、その人が説明のときに動員する大胆なロジックや、思いがけない典拠や、カラフルな比喩や、聞き届けられやすい言葉の

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言語芸術としての小説

小説を読む楽しさは、もちろん話の内容にあると思う。
ハラハラする展開で続きが気になり、一気に読みたくなる。そう思わせてくれる小説に出会えたことはとても幸せなことだ。
しかし、最近になって私は、小説に内容を追う以外の楽しみがあることがやっと分かってきた。
小説というのは、「言語芸術」なのである。

一気に話を追うのもいいけれど、小説の魅力はそれだけではない。
もっと、ゆっくりと。一つ一つの表現を噛み

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事実として読んでくれてもいいし、創作として読んでくれてもいい、もしも後者の場合なら、比喩だと思ってくれてもいい

下請けの下請けの下請けくらいのところでの作業だった。ここの人間たちに仲間意識はある、それもかなり強い。が、個々人に人格はない。お前も今日から仲間や、と言われたが、彼の名前は知らないし、当然ぼくの名前も知られていない。思い浮かんだのは猿の群れである。名前はないが、集団はある。ぼくは新入りの若猿であった。現場では、力と勢い、それがすべてであった。体力、筋力、持久力のある人間は重宝され、逆にない人間は「

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“発火”

火種に反応して燃える感情がある というコトなので、火種は私の中にめちゃくちゃあるんすよね。

火をつけるときは木材だけではダメだし、燃えやすい新聞紙があればいい ってだけでも無いんですよ。

だいたい風通しをよくした方がいい って言われますよね。

外で野焼きしてたら話は別ですけど、窯? 暖炉? みたいな閉所で火を起こすとき って空気の流れる場所が限られるんですよ。正面しか空いてないからね。

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怒りと悲しみ

怒りの破片と悲しみの破片それらが僕の中でぶつかり合い、どうしようもない時がある。
そんな時、僕は詩を創ってみる。
溢れる感情をそのまま言葉にしてみるんだ。
その後、決して混ざり合うことのなかった怒りと悲しみが溶け合うこともある。
その時、後に残る感情は平静に戻る。
変わったことは、傷跡と信念が増えただけ。

速読の脳科学的なカラクリとやり方を簡単に説明

速読について質問を受けたので、科学的に認められている速読の方法と本の読み方について、簡単にですが書いてみます。よかったら書籍を読破する際にお役立てくださいな。

本をもっと早く読めたらいいな、と思っている人は多いかと思います。

しかし、基本的に文字を早く読む方法はありません。動体視力を鍛えたところで入ってきた文字情報を頭で理解できなければ意味がないので、結局のところは頭の勝負になります。

つま

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どーせそうやって他の人にも好きって言ってるんでしょ!知ってるんだから!
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コミュニティは一本の木だ

比喩によって、人はそのものの本質を理解することができます。しかし、それはある側面から眺めたときの比喩でしかありません。

わたしは以前、コミュニティをバームクーヘンにたとえて表現しました。

バームクーヘンの作り方をご存知でしょうか?店頭で焼き上げる様子を見たことがあるかもしれません。中心に核(この場合は芯と呼んだほうがいいですが)となる棒があり、その周りに生地を塗りながら遠火で焼いていくのです。

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どうしてパッケージのほうが伝わるのか?|村上春樹からの気付き

「比喩というのはパッケージ」

ゴルデンウイーク。

ゆっくり小説でも読んで過ごされた方も多いのではないでしょうか?

僕も久しぶりに村上春樹さんの短編集を読み返しましたよ。

村上春樹さんの小説には“比喩”がよく登場します。

たとえばこんな感じ。

『10分ばかり後でグレープフルーツの様な乳房をつけ派手なワンピースを着た30歳ばかりの女が店に入ってきて僕のひとつ隣に座り、僕がやったのと同じよう

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