マガジンのカバー画像

市川翔が存在する世界はこの世の並行世界でありもう一つの現実だ

3
市川翔は物語の主人公である。彼の世界と我々のこの現実世界は、同時に進行する並行世界だ。もしかすると、我々こそが仮想で、並行世界こそが現実なのかもしれない。思考は想念であり、想念と… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

彼とはもうずいぶん昔に出会っている。フツウに考えてみれば、それだけの時が経っているのだから、年齢や状況や、その他さまざまこまごまなことが大きく変化していると思うだろう。つまりそれこそが、時が、過去から未来へと、一定方向に流れている、という大いなる誤解なのだ。

彼には謎が多い。どこで生まれ、子供時代をどのような環境で育ってきたのか。また、どのような人々によって教育を受けたのか。彼がいかなる成長過程を経て大人になり、その能力を発現するに至ったのか。もろ刃の剣ともなるそれを。

主人公である彼は、とても長い年月を私の中に生き続けてきた。今となっては、とある町なかでの彼の生活圏や、そこに暮らす人々の一人ひとりの声やクセや、彼に対する噂話まで、私は知っている。くどいようだが、私自身と彼とは全くの別人だ。