かつて
お世話になった方と
偶然の
出会いがあった

人混みの中で
ばったりと数年ぶりに

ぱっと目が合った時
なぜか
その方の笑顔の底が
曇って見えた

一瞬の邂逅

笑顔で挨拶を交わして
おのおのの道を
進んで行った

この4年というもの
じつにさまざまな
ことがあった

いや

たんなる
「こと」ではない

世界中を
大混乱に陥れた
事件があった

しかもそれは
いまだに
過去完了形には
なっていない

その間に
大勢の人々が
生活を、人生を
大きく揺さぶられた

なかには
人生そのものを
根底から覆された
人々もいる

現在展開している
すべての物事は

遠い未来には
一つの歴史となる

この時代というものが
未来の人々によって
どういう裁定をされ
書き記されるのか

それとも

その未来にはもう
この時代という
歴史そのものが
存在しないものとして
扱われるのか

われわれには
知る由もない

だが

たしかにイマココに
存在するわれわれは

この凄まじき
混乱の中にあって

必ずや真実を掴むべく
努力を重ねている

そう

一筋の光を