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映画「由宇子の天秤」が面白い/物語ってすごい!

 鑑賞して二日が経ちました。いまも洗い物をしていると「で、真実はどれ?」と思いますし、登場人物へ感じたモヤモヤ感が湧き出てきます。幕が下り、日常に戻った後ですらわたしに語り掛けてくる物語。なんて力強く、エグイ(=素晴らしい)映画なんでしょう。私の心はまだ、あのスクリーンの前で由宇子を見続けています。

3年前に起きた女子高生いじめ自殺事件を追うドキュメンタリーディレクターの由宇子は、テレビ局の方針と対立を繰返しながらも事件の真相に迫りつつあった。そんな時、学習塾を経営する父から思いもよらぬ〝衝撃の事実〞を聞かされる。大切なものを守りたい、しかし それは同時に自分の「正義」を揺るがすことになるー。果たして「〝正しさ〞とは何なのか?」。常に真実を明らかにしたいという信念に突き動かされてきた由宇子は、究極の選択を迫られる…ドキュメンタリーディレクターとしての自分と、一人の人間としての自分。その狭間 で激しく揺れ動き、迷い苦しみながらもドキュメンタリーを世に送り出すべく突き進む由宇子。彼女を最後に待ち受けていたものとはー?

わたし的ポイントは3つの眼差し
①事件を追う由宇子の眼差し
②由宇子自身に起きた事への由宇子の眼差し
③由宇子をジャッジしようとしては揺れ動く観客である私の眼差し

この三つが始終、私を困惑させました。
最終的に、わたしには確固たる正義なんてないんじゃないか?と自分が薄っぺらい人間のように思いました。そして「正しい」の輪郭がぼやけていきます。

考えろ、考えろ、と耳元で由宇子が囁きます。


すごい映画です。
皆さんはあのラストシーンをどんな風に感じるのでしょうか。
気になったかたは、お近くの劇場へお急ぎくださいね!


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