1‘

“チュンチュン”

⚪︎「ふぁ〜…6時か…起きないと」

おはようございます

僕の名前は白橋〇〇（30）です。

2‘

1年前に訳あって白橋の姓になり、

1人の姉と7人の妹ができました。

その訳とは僕が白橋家と腹違いの子供で

母が亡くなったのをきっかけに引き取られた。

3‘

そして、僕の朝の日課が朝ごはんを作った後に

妹達を起こすことだ。

⚪︎「よし、いい感じだ！みんなを起こしに行こう」

まずは麻衣ちゃんを起こそうかな。

麻衣ちゃんは白橋家の三女だ。

4‘

麻衣ちゃんは寝起きがいいから助かる。

⚪︎「麻衣ちゃん？起きて？朝だよ」

麻衣「ぅん…おはよ」

⚪︎「悪いんだけど、さくらちゃんと遥香ちゃんと和ちゃんを起こしてくれる？」

麻衣「はーい」

5‘

遥香ちゃんは七女で、さくらちゃんは八女

和ちゃんは九女。

そして、今日は四女の沙友理ちゃんと五女の奈々未ちゃん

六女の七瀬ちゃんを起こす番。

6‘

和ちゃん以外は僕が起こさないと

起きてくれない。

むしろ機嫌悪くなる。

だけど、毎日起こしてる時間はない為、

話し合いで日替わりで起こすことに決まった。

7‘

でも起こさないわけにはいかないので、

例外として麻衣ちゃんを起こして、

他の子を起こす手伝いをしてもらってる。

そして、僕もみんなを起こしたら

お皿に料理を盛って

テーブルに並べていく。

8’

少しすると妹達が降りてくる。

⚪︎「おはよ」

七瀬「…おはよ」

沙友理「おはようやでー！」

さくら「おはよう！」

9‘

最初に降りてきたのは大学2年生の七瀬ちゃん（21）

いつも誰かの背中にくっついていて、

最近では僕の背中がお気に入りらしい。

次に入ってきたのは麻衣ちゃんと

二卵性双生児の妹の沙友理ちゃん（25）

10‘

かなり大食いで、家族の中では1番身長が高い。

最後はさくらちゃん（18）、

遥香ちゃんと二卵性双生児で妹。

3人のご飯をよそっていると

残りの妹達が降りてくる。

11‘

⚪︎「おはよ！」

遥香「おはよ！」

奈々未「……よ…」

麻衣「奈々未！ちゃんと起きて！」

和「…」

12‘

元気いっぱいの高校3年生で

さくらの双子の姉の遥香ちゃん（18）

ほぼ寝てるのが奈々未ちゃん（24）

無口な子は末っ子の和ちゃん（10）

個性ある妹たちだ。

13‘

⚪︎「んぐっ！ごめん！仕事行かないと！」

わちゃわちゃしてる間に出発する時間になる。

⚪︎「麻衣ちゃん！悪いんだけどお皿洗いお願い！！」

麻衣「わかったよ〜！！」

⚪︎「行ってきます！！」

14‘

少し訳ありの大家族。

そんな僕らには少し変わったところがある。

それは…僕らはバース性なのだ。

これは一般常識ですが

一応説明しておきます。

15‘

バース性と言うのは第2の性とも言い

男性、女性には分類されない性別。

バース性は分けられていて

アルファ/ベータ/オメガの三種類だ。

16‘

アルファは知能が高く、身体能力も高い性質。

ベータは普通の人間と変わらない。

オメガは男性でも妊娠することが可能

そして、バース性は女性にも男性器があったり

男性に女性器があったりする。

17‘

姉と妹達は全員アルファで珍しい。

バース性自体は多くいる訳ではない。

オメガになると尚更で、

僕はその中でもさらに希少な

オメガシータだ。

18‘

本来、アルファがオメガのうなじを噛むことで

番（つがい）になるのだが、

一度番になるとオメガ側からは番を解消できない。

アルファは一方的に解消することができる。

19‘

そして、1人のアルファに対して、

1人のオメガしか番にはなれない。

だけど、オメガシータは違う。

複数人のアルファと番になれるのだ。

20‘

あとはオメガよりもヒート（発情期）が弱い。

年に３回ほど強いヒートがくるが

それ以外は基本的に抑制剤（抑制剤ピル）を

飲まなくても大丈夫。

21‘

とまぁ…これが

世界の常識であり、理だ。

そんな世界に生きる僕と

白橋家のお話だ。

22‘

この作品はフィクションです。

実在の人物や団体などとは関係ありません。

またこの作品内の表現や行動はあくまでも、

作品内での表現・行動なので実際に行っても、

一切の責任は取りかねますのでご了承ください。