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海外の人が教えてくれた、私が知らなかった日本 (Nujabes・にゃんたま・佐川一政 など)

「日本から来た」と言うと、それぞれの人が、その人が知っている日本のことを話してくれます。

たまに、私も知らない意外な日本の情報を聞くことがあり、びっくりさせられることもあります。

今回は、そんな「海外の人に教えてもらった日本」をまとめてみました。



・Nujabes(ヌジャベス)


とくに10~20代の若い人からよく聞くのがこの名前です。

Nujabesは、日本出身の音楽プロデューサーで、世界的なムーブメントになった「ローファイ・ヒップホップ(Lo-Fi Hip Hop)」のルーツと言われている人です。

Nujabesを逆さまから読むと「Sebajun(せばじゅん → 瀬葉淳)」。日本人ですが、謎に包まれた国籍不明な雰囲気のアーティストです。

アニメ『サムライチャンプルー』に楽曲が使用され、アニメを通して世界中にファンが増えたそうです。実際に、日本の好きな曲としてこのアニメのオープニング曲「battlecry」を挙げる人も多いです。

その人気はかなりのもので、腕にNujabesのSpotifyのアイコンと同じデザインのタトゥーを入れている熱心なファンにも会いました。

2010年、36歳のときに若くして交通事故で逝去してしまったのですが、音楽を通して今も世界中で生き続けているアーティストです。


・にゃんたま


『にゃんたま』は、2016年に写真家の芳澤ルミ子さんが自由国民社から出版した、オス猫の"にゃんたま"(何のことか分かりますか?)を記録した写真集です。

海外で出会った知人に「いつか日本に行ってこの本を買いたいんだ!」と書籍の写真を見せられた私は、こんな写真集がこの世に存在していたとは…!と衝撃を受けました。

色とりどりの丸っこい"にゃんたま"がとてもかわいらしいので、なぜこの写真集が日本で社会現象にならなかったのか不思議でたまりません。

知人にせがまれ、表紙の「もふもふ、かわいい。ちょっと、はずかし。」というキャッチフレーズを英訳してあげると、涙が出るほど爆笑していました。

自分用ではなく友人の誕生日プレゼントにしたいと言っていましたが、相当ツボにハマっているみたいなので、きっと自分にも1冊買うと思います。


・佐川一政(さがわ いっせい)


海外で出会ったあるジャーナリストが「日本人について記事を書いたことがある」と言いました。「誰?」と聞いて返ってきたのが、この名前です。

佐川一政は、1981年にフランスのパリで女性を殺害し、その死体を食べたことで世界を震撼させた人物です。

この通称「パリ人肉事件」は、ザ・ローリング・ストーンズの「Too Much Blood」という曲になったり、イタリアやフランスで映画になったり、日本では唐十郎、寺山修司、大島渚などが映画化を試みたり(どれも実現せず)など、多くの作品の題材にもなりました。

2022年、73歳のときに肺炎で逝去しましたが、本人も存命中に多数の書籍を出版し、なぜかアダルトビデオにも出演しています。

ちなみに、知り合いのジャーナリストが佐川一政の半生について書いた記事は数億PVになり、彼の歴代の記事のなかで一番読まれたそうです。


・パンケーキ


ある日インスタグラムを眺めていたら、「ORIGINAL JAPANESE PANCAKES(オリジナルジャパニーズパンケーキ)」という文字とパンケーキの写真がパッと現れました。

「え、日本のパンケーキ?」と思ってその広告をタップしてみると、パンケーキ専門店のアカウントでした。プロフィールには日本の国旗の絵文字もあります。

そのアカウントに投稿されたパンケーキの写真を改めて見ると、日本で流行っていた(今も流行っている?)ふわふわで厚みがあるスフレパンケーキの写真でした。

スフレパンケーキは、その洋風な見た目から、アメリカかヨーロッパ生まれだと思い込んでいたので、「日本発祥だったの?」と驚きました。

調べてみると、2008年頃からはじまった日本のパンケーキブームのなかで、進化系パンケーキとして誕生したのが、卵白を泡立てたふわふわの生地を型に流しこんでつくるスフレパンケーキなのだそうです。

それが今、海外では「JAPANESE PANCAKE(ジャパニーズパンケーキ)」として流行っているみたいです。インスタグラムやGoogleマップで検索すると、世界各国にお店があることが分かりました。

その後、まったく別のところで「日本のふわふわのパンケーキを食べてみたい!」と言う人にも出会ったので、ある程度の知名度があることを確信しました。

今度、広告で見たパンケーキのお店に行って、さらに色々確かめようと思っています。


・カウボーイビバップ


『カウボーイビバップ』は、1998年からテレビ東京系で放送されていた、近未来(2071年)の宇宙が舞台のSFアニメです。

海外では、好きなアニメとして前述の『サムライチャンプルー』と並んでよく挙がる名前です。

海外に住んでみて、海外で人気のアニメは日本で人気のアニメとは少し違うことに気づきました。

ジブリ作品、新海誠の作品、『ONE PIECE』『NARUTO』『進撃の巨人』『DEATH NOTE』などは、もちろん海外でもアニメ好きだけではなく多くの人に知られていますが、『新世紀エヴァンゲリオン』の話をすると、とたんに「知らない」「観てない」と言う人が増えます。そして、代わりに『サムライチャンプルー』や『カウボーイビバップ』の名前が挙がります。

サムライに目がない海外で『サムライチャンプルー』が人気になる理由は想像しやすいのですが、『カウボーイビバップ』が人気の理由はまだ分かりません。2001年にアメリカのアニメ専門局カートゥーンネットワークで全米放送されたため、そこから世界へ広がったのかもしれません。

ちなみに『カウボーイビバップ』の「ビバップ」は、即興演奏が好きなジャズマンたちによって生まれたジャズの形態のことで、このアニメにもジャズ、ブルース、ロック、テクノなどさまざまな音楽が使用され、SF作品の新しいスタイルをつくったアニメだと言われているそうです。

調べるうちに興味がわき、私も最近このアニメを観はじめたので、なぜ海外でこんなに人気なのか秘密が分かったら、またどこかで報告するかもしれません。


以上で、「海外の人に教えてもらった日本」の紹介を終わります。

書いているあいだ、もっと沢山あるはず、もっと沢山あるはず…と脳みそを捻っていましたが、今回は5個しか出てきませんでした。

また思い出したり、新しいことを教えてもらったら、第二弾として書きたいと思います。

(おまけ)私が住んでいるジョージアの首都トビリシには、村上春樹のグラフィティアートがあります。だれが描いたのかわかりませんが、完成度が高すぎる…

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