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nana10周年をむかえて

音楽コラボアプリ『nana』のリリース(2012年8月21日)から今月2022年8月でなんと、10年が経ちました。10周年。マジか。マジか。

起業してからこの10年間常に事業、人、組織、お金のどれかもしくは並行で課題が有り続け、ひとつが解決したらまた次の課題が生まれるといった連続で、良くも悪くもジェットコースターのような日々を送らせて頂いてます。今も、去年の初めからプロダクトリニューアルという大きなプロジェクトが進んでいてそれで頭の中いっぱいで、ぶっちゃけ10周年のことギリギリまで忘れてました。。。(ブログも8月ギリギリになってしまった)

あらためてまずはnanaを楽しんで頂いているユーザーの皆様、離れてしまった方々も含めてこれまで支えてきてくれたチームメンバー、株主の皆様、そしてnanaの未来を信じ応援し続けてくれているすべての方々へ感謝申し上げます。10年間、続けてこられたことはひとえに皆様のおかげです。本当に、ありがとうございます。

これまでの10年を振り返ると正直反省ばかり。話せばきりがないんだけど、せっかくなので起業前半と今の自分を比べて自分にとって大きな経験となり、今では日々常に意識していることを書いてみる。

あくまでも自分個人の学びです。

「任せる」は丸投げではなく伴走すること

直近5年間で自分の中で一番大きな学びと考え方のアップデートがあったのは「仕事の任せ方」かな。これは起業初期からずっと悩んでた。

権限移譲していくということは定石だし必要なことだと理解はするものの、任せるってどこまで任せるのか、その線引きが自分の中でとても難しかった。自分自身は、任される立場ならすべて自分で考えて自分で絵を描きたいので全部任せて欲しいと思うタイプ。なので、チームメンバーに仕事を任せる時は完全に任せて、聞かれたら意見するけど「なんか違うな」と感じても一切口出ししないようにしていた。ただそうなると当然自分の中にもモヤモヤが溜まっていくわけで。任せると決めたら任せるべきなんだろうけど違和感あるのにそれを指摘しないもおかしいし。自分の中で解決方法が見つからず、延々と悩んでました。

そこに気づきをくれたのは、DMM子会社時代のCOOの細野さん。仕事を任せるということは丸投げするのではなく、イニシアチブは委ねるけど一次情報もすべて自分で把握した上で横に付いて一緒に走るという「伴走」が大事なのだ、と。この任せる=伴走するという概念は当時の自分にはなくて。実際に細野さんの働き方、メンバーとのコミュニケーションの仕方を目の前で見続けることによって、自分の中で消化されていきました。これは自分にとって本当に大きな学びだった。

一方で、任せなくちゃいけない、権限移譲しなくちゃいけない、というのも頭でっかちに捉えすぎていたなと。すべてを一人ではこなせないしスケールするために当然任せていくことは大事なんだけど、それも組織のフェーズや環境、事業として何に投資すべきかという優先度に応じて変わるもの。PMFしてない状態や非連続な成長のために大きな決断が必要な状況であればCEOがすべてをコントロールすることが最適解のこともあるだろうし、重要な領域にリソースを割くために優先度的に下がる&最悪自分でリカバリーできる領域については逆に丸投げすることもある。任せ方は一義じゃなくて、いろんな状況に応じて使い分ける。そのための変数を分解して考えられるようになったのが一番の成長なのかも。

信頼関係=雑談時間の長さ

後は、チームにおけるコミュニケーション頻度の重要性かな。自分の場合プロダクトの未来を考えている時間が一番好きで、自分の世界に籠りがち。また特に創業初期は人もいないので全部自分でやらなきゃで、基本は目の前のタスクに忙殺されがち。

どれだけ忙しくてもそれがモノ作りや企画ならウェルカムなタイプなんだけど、実際には組織を経営していく中で避けて通れないのが人の問題だし、その比率はどんどん増してくる。キツいフィードバックをしなきゃいけない時もある、仲裁に間入らなきゃいけない時もある、気が付かない内に積み上がったわだかまりみたいなものを解消しなきゃいけない時もある。でも、目の前のタスクに忙殺されていると、それを言い訳にして人の問題へのアクションが後回しになりがちになる。いろんな理由を作って相手のせいにしてい、自分からアクションを起こさずに待ちの姿勢になったりする。

その結果、回復不可能なまでに関係性が崩れる。この状態になってからでは何をしても遅い。正直何度も繰り返したこともあります。

これをなるべく防ぐためには、結局接点の頻度でしかないと僕は思う。決まったアジェンダがあるMTGのような時間をどれだけ過ごしたかではなく、雑談時間の長さや飯一緒に食った回数と言うほうが適切かな。仕事的には”無駄”だと定義されるような時間を、どれだけともに過ごしてきたかが結局は信頼関係に直結するのだと。

コロナ禍でリモート中心の働き方になった今、出社日は設けつつもいかにこの「無駄な時間」をともに過ごせるか、は常に悩みながら、話し合いながら色々試してます。また、自分は気を抜くとすぐにタスクに籠りがちでここはまだまだ課題だらけなので、特に意識していく。できてなかったら遠慮なく指摘してください。。。

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マネジメントが得意な人は最初からこんなことには躓かないのかもしれないけど、自分にとっては大きな大きな学びでした。

今回は組織やマネジメントよりの話だったけど、プロダクト作りにおいてもこの10年間で多くの学びがあったので、次回のnoteで振り返りながら整理する。今進行中のフルリニューアルプロジェクトについても。興味あればぜひ御覧ください。では。

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