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ECサイト構築の要件定義|プロジェクトの進め方や押さえておくべき3つポイントについて

ECサイトの新規構築やリニューアルを進めていくうえで、何から取り組めば良いのか分からずお困りの方も多いのではないでしょうか。

また、運営中のECサイトの売上が目標額に届かず、改善すべきポイントがはっきりしないという方もいるでしょう。魅力的なECサイトするには、サイトの骨組みとなる要件定義がかかせません。しかし、どのように要件定義を進めればいいか悩んでいるかたも多いと思います。

本記事では、ECサイトの新規構築やリニューアルしたい方向けに要件定義の概要や意識すべきポイントについて紹介できればと思います。

ECサイトの要件定義とは

要件定義とは、「ECサイトを構築したい方」と「ECサイトを構築するベンダー(システム会社)」の間で、「どのようなECサイトを作るか」を明確にすることです。

事前に運営者が作成した要件をもとに、ベンダーと打ち合わせを行い、ECサイトに必要な機能や要素、デザインについての認識をすり合わせ共有していきます。

しかし、ベンダーとのすり合わせを念入りに行えば、理想のECサイトを作れるとは限りません。その前段階として、事業者側で「どのようなECサイトにしたいか」など、要件を洗い出す必要があります。

構築したいECサイトのイメージが具体的ではないと、イメージと違ったECサイトになってしまうことがあります。

ECサイト構築の成否は要件定義がカギ

ECサイト構築が成功するか否かは、要件定義に左右されるといっても過言ではありません。ECサイトの構築は、「要件定義で決定した内容」をもとに進めていくからです。

要件定義に抜け漏れやズレがあると、求めていたECサイトとは別なECサイトが構築されてしまいます。また、社内で構築内容の合意を取れていないと、のちに構築内容の再検討となり、プロジェクトスケジュールに遅れがでたり、最悪、一からやり直しになるケースもあります。

このようなトラブルを防ぐためにも、まずは「事業者側であらかじめ要件を固めておく」ことがとても重要です。具体的には、サイトのコンセプトや必要な機能、デザイン、予算、スケジュールなどが挙げられます。

また、目先の課題やコストばかりに意識を向けてしまうと、本当に必要な機能やシステムなどを見落としてしまいかねません。

ECサイトを構築して終わりではなく、実際に成果を上げ続けられるECサイトにするには、長期的な視点を持って進めていくことが大切です。

ECサイトの要件定義でやるべき項目

ECサイトの要件定義で、事業者側が準備しておきたい内容は主に以下のとおりです。

  1. 目的・コンセプト

  2. システム要件

  3. サイト要件

  4. 実行計画

1. 目的・コンセプト

ECサイトを新規構築やリニューアルの目的・コンセプトを明確しましょう。

具体的には、以下のことについて深掘りして考えると良いでしょう!

  • ECサイト新規構築やリニューアルする目的・背景

  • 克服したい課題

  • 中長期的な売上目標

このように将来のゴールを見据えつつ、実際に達成するにはどうすればいいのかを逆算し進めることをおすすめします。 これを行わないとECサイトを構築するうえでの判断軸がブレてしまい、目的達成が困難になるでしょう!

また、ECサイト構築すれば商圏が広がり、売上拡大のチャンスが増えますが、競合の数も増えます。その中で、ユーザーに選んでもらうには、独自性やロイヤルティを出すなどしなければいけません。

独自性やロイヤルティを出すうえでコンセプトが大切になってきます。
コンセプトについては、「ECサイトのコンセプトとは|具体的な設計方法と3つの注意ポイントについて」の記事で紹介していますので是非、参考にしてください。

2. サイト要件

ECサイト新規構築やリニューアルの目的やコンセプトが決定後、「どのようなECサイトにするか」をより具体的に落とし込んでいきましょう!

  • サイト全体の設計図

  • ページの構成やレイアウト

  • デザインのイメージ    など

このようにECサイト全体の大まかな仕様を決めておくことで、必要な機能や要件などについて考えやすくなります。

また、サイト要件を考える際には、以下の項目などを洗い出しておくことでECサイト全体像をよりイメージしやすくなるのでおすすめです。

  • ユーザーが訪問してから商品を購入・利用するまでの流れ(カスタマージャーニー)

  • 事業者が集客してから商品を配送・フォローするまでの流れ(業務フロー)

3. システム要件

ECサイトの大枠の仕様が決定後、それらを実現するために何が必要かをまとめましょう。具体的には、必要な機能の洗い出しやカートシステムの選定、決済種別、配送方法などを詰めていきます。

すべての要件を事前に決めておくのは難しいですが、なるべく、具体的な要望があれば事前にまとめておきましょう。

  • 単品購入だけでなく、定期購入システムもほしい

  • カスタマイズ性があって、自由度の高いサイトにしたい など

4. 実行計画

実際にECサイト新規構築やリニューアルを進めていくうえで、スケジュールや予算、チーム体制などを整理しましょう。

スケジュール策定の際は、必ずバッファを確保するようにしておきましょう。プロジェクト進行中に思わぬトラブルや想定外の事態が起きないとはかぎりません。

「工数がギリギリになってオープン日が大幅に延期」といった事態を避けるためにも、余裕をもって計画を立てることが大切です。

また、ECサイトをどのように構築するかによって、必要な予算は大きく変わります。予算を見積もる際は、構築後の運営費なども忘れずに含めるようにしましょう。具体的には、システムの月額料や決済手数料などがあります。

その時になって「資金が足りない」とあわてないためにも、あらかじめ全体像を把握したうえで予算を立てることが重要です。

要件定義で押さえておくべき3つポイント

ECサイトの要件定義で押さえておくべき3つポイントを紹介します。
これらを押さえることで要件定義の精度が上がり、理想のECサイトに一歩近づくことができます。

  1. 長期的な視点をもって判断

  2. 実際の業務フローを明確化

  3. 要件を社内外に正確に共有

1. 長期的な視点をもって判断

ECサイトの構築がゴールではなく、「ECサイト構築後、いかに商品を売るか、いかに売上を伸ばすか」がゴールになってくることが多いです。

しかし、実際は短期的な視野になってしますことが多く、「初期費用を抑えるためにかけるべきコストも削減」や「本来必要だった機能やシステムを見落としてしまった」などがあります。

その結果、機能の追加やカートシステムの乗り換えが必要となり、かえって余計にコストが膨らんでしまったケースもあります。

このような事態を避けるためにも、「何年後に◯◯を達成する」といった中長期的な視点を持ち、その目的達成に必要な要件を考えることが大切です。

2. 実際の業務フローを明確化

要件定義をする際は、ECサイト構築後、「ECサイトをどのような流れで運営するか」を具体的にイメージしておくのがおすすめです。

例えば、商品を受注してからお客様のもとに届くまでには、「受注処理 → 出荷・配送 → アフターサポート」などの業務が発生します。これらの業務フローをイメージしておくことで、必要な機能やシステムなどにより気づきやすくなります。

また、ベンダーにも自社の意向を伝えやすくなるため、認識のズレが起きにくいです。初めてのサイト構築で業務フローを考えるのが難しい場合は、ベンダーと相談しながら詳細を詰めていきましょう。

「よく分からないからベンダーにすべてお任せする」という姿勢では、イメージと違うサイトができてしまう恐れがあるので注意が必要です。

3. 要件を社内外に正確に共有

要件をまとめればそれで大丈夫かというと、実はそうではありません。

まとめた要件を社内外に正しく伝えられなければ、認識のズレが起きたり、同意を得られなかったりします。

意外と見落としがちな点ですが、構築をスムーズに進めるうえでとても重要なポイントです。前提や背景も含めて丁寧に共有したり、口頭ではなく書面など形に残るもので確認したり、要件の内容に齟齬が生まれないよう注意しましょう。


まとめ

本記事のまとめです。

  • どのようなECサイトにしたか明確にしておく

  • ECサイト構築の目的や背景を理解する

  • 長期的視点で検討することが大切

ぜひ本記事を参考に、ECサイト構築のそれぞれの要件を考えてみてください。


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