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七尾和晃の世界 昭和百景

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「無名の人々が歴史を創る」を信条に情況と証言を追いかける作家、七尾和晃さんの「昭和百景」が始まりました。懐かしくもまだ見ぬ昭和を、昭和ど真ん中世代から、昭和を知らぬ世代の方々にも。
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記事一覧

カウントダウン告知          「七尾和晃 THE FINAL」

カウントダウン告知「七尾和晃 THE FINAL」。闘病を経て自堕落負け組となった、狂った男が帰…

終わりなき漂流 ボート難民、日本に没す 「我々は人生において二度、難民になった」

 一九六〇年、ベトナム共和国で内戦が勃発する。米ソ両大国の介入によって、ソビエト の支援…

シリーズ昭和百景 メコンの蛍     国境を越えた「終わりなき戦禍」

 川べりにホタルの黄色い光が明滅し始めると、それを合図のように、紅玉の陽はメコンの上流に…

「不思議の国 ニッポンの風景 あるべき書類がナイのはなぜ??」

「ホリンジャーボックス」と呼ばれる箱がある。A4サイズの紙が余裕をもって収まるほどの大き…

シリーズ 昭和百景 「語られざる『戦後孤児』 アマゾンに渡った澤田美喜の希望達」

 JR大磯駅―。駅前のロータリーとはいえ、どこか静謐な空気が漂う。バスやタクシーの往来は…

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シリーズ 昭和百景 「キッシンジャー対日秘録 ニクソンショックを埋める“空白の3…

 写真はイェール大学が管理するキッシンジャー氏の個人コレクションのうち開示されたものの一…

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シリーズ 昭和百景 司馬遼太郎が追いかけた “草原の巨人” 飯塚浩二 遥かなり

 現在、飯塚浩二の著作を求めることは難しい。以前、岩波現代文庫から飯塚の主著のひとつである『日本の軍隊』が復刊されたが、すでに在庫は乏しい。  同書はかつて初版が東大出版会から刊行されて以来、長く名著として語り継がれてきたものだが、しかし飯塚の思想的ステージの特筆すべきは、むしろその時代的風潮にともなう反省的立場に立ったシステム論であるよりは、『日本の精神的風土』や『東洋史と西洋史のあいだ』といった著作に顕在する、それまでにない人文地理上の視点を日本の学問的風土に持ち込んだ

シリーズ 昭和百景 「疎開とダム移住」 歴史に学ぶ、移住の成功体験は「集団で」「…

 移住ブームもついに平成から令和へ、さらにコロナ移住という新しいニーズを取り込み、久しぶ…

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新・田舎暮らしの教科書 “見えざる障壁” 「自治会の財産」問題に解決策を見出し…

 沖縄県恩納村–。沖縄県内でも有数のリゾート地で、とりわけ海がきれいな東シナ海に面する。…

100〜
割引あり

シリーズ 昭和百景 「禁断の人肉で命をつないだ ルソン・死の行進 沈黙という“証…

 戦後派の作 家 ・ 梅 崎 春 生 の 作 品 に 『日 の 果 て 』 が あ る 。

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シリーズ 昭和百景 「偉人と括ることなかれ 日米の“戦後”をつくった異人 単行本…

 笠井が育った現身延町(旧中富町)は、山梨県から静岡へと流れる、富士川に削られた「和紙の…

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シリーズ 昭和百景 「本田靖春も愛した“輪タクのマー坊” 友を喪った地下道の記憶…

 写真は筆者撮影。某所にある私有の「美術室」にて。コレクションの春画を背景に。もしさらに…

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シリーズ 「すっぽん三太夫」シリーズ 「お展墓道中顛末記 無縁墓急増 でも 明治…

 実際に日本で起きた、ある〝事件〟の話でございます。

100〜
割引あり

シリーズ 昭和百景 「戦後・国家地方警察の記憶 大須観音 特飲街の花子」

 86歳(取材当時)になった小野木昌紫は、生まれ故郷の岐阜県各務原市で、好きな歴史の研究に勤しんでいる。朝八時にはすでに三十度を超える猛暑の朝、小野木は白い帽子を被り、私を迎えた。決して大柄ではないが、元警官らしい筋の通った姿勢のよさと、無駄のない端正な口調が印象的だった。室内にいても時折、航空機の爆音が響く。第二次大戦中の軍用飛行場は現在、自衛隊が運用する。小野木はその爆音の下、警官人生の思い出を語り始めた。

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100