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毒舌 「すっぽん三太夫」シリーズ 「眼光紙背の移住術 パンフにはない情報にこそ感度高く」

割引あり

 福岡県筑豊地域―。戦中の「決戦用石炭増産」を掛け声に全国各地から炭鉱労働者が集まった地域も、高度経済成長期以降は安い海外産の石炭に押され閉山が相次ぎ、地域経済は一気に冷え込んだ。筑豊をはじめとする旧産炭地域には、地域振興の名目で、政府による多くの補助金が注がれたことに加え、九州圏内の高速道路網の充実もあり、経済都市である福岡市内などとのアクセスも良好となった。そのため、九州全域から、懐かしいボタ山の風景を求めた移住者も順調に増え、昭和末期の暗さは薄まりつつある。かつて炭鉱住宅が立ち並んでいた旧産炭地域は今、続々と宅地造成されている。もちろん、“人気”に嘘はないが、一方で見落とされがちなのが治安面の実態だ。“負のイメージ”である治安や犯罪発生状況については行政側から積極的に情報提供されることはほとんどなく、その実状を知ることは容易ではない。

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