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塩貝香織のAI翻訳アカデミーの認定講師、アルバイトだった説


はじめに

本記事では、株式会社ファイブアイズ・イングリッシュ代表の塩貝香織氏が主催するAI翻訳アカデミーの講師募集の求人について見ていく。求人によると、アカデミーではアルバイトが受講生の課題の添削を行う可能性が浮上した。

そもそも塩貝香織氏とは何者なのか、AI翻訳アカデミーとは何なのかについては、YouTubeにて紹介動画を投稿しているので、詳しくはそちらをご覧いただきたい。

また、本件と直接的な関わりは無いが、塩貝香織氏の著書『ファイブアイズEnglish 「文化」と「習慣」を学べば英語は身につく!』の書評動画も公開しているので、よろしければそちらも参考にしていただきたい。

求人情報

株式会社ファイブアイズ・イングリッシュは、2023/11/21まで求人サイト、複業クラウドにて2つの案件で求人を行っていた(11/23には募集再開した)。本記事では前者の求人を詳しく見ていく。

うち一件は英日翻訳の課題添削者の募集(本記事ではこれを深堀)。

もう一件は翻訳コーディネーターの募集。

課題添削者の求人については以下の通りだ。

時給 ¥1,200~1,500
希望稼働時間枠 平日
補足
・チャットワークサポート業務はシフト制で調整
・課題の提出や質問が多くなる土日祝対応できる方優遇(全時間帯募集)
※ 専門ツールを含む研修を受けられる方

https://talent.aw-anotherworks.com/projects/39945

認定講師=アルバイト説

本求人情報からも分かる通り、どうやらAI翻訳アカデミーでの課題添削は、時給¥1,200~1,500のアルバイトの講師にさせる予定のようだ。しかし、この実態はAI翻訳アカデミーの広告内容から受ける印象とかなり乖離している。サービスの概要は以下の通り。

https://honyaku-ai.com/pletter/

サービス概要を見てみると、大まかな内容として、受講生はアカデミーから出された翻訳課題をこなし、塩貝氏及び「認定講師」から添削指導を受ける、という流れ。講師には「塩貝香織 認定講師」とあるが、実はAI翻訳アカデミーの広告では、主催者である塩貝氏の経歴については繰り返し伝えられるものの、「認定講師」なるものの経歴について具体的説明は殆ど無い。以下、広告内で「認定講師」について言及した記述を見ていく。

私が一番信頼しているスタッフ、認定講師が丁寧にあなたの疑問や不安についてお答えいたしますので、お気軽にご連絡ください^^

AI翻訳アカデミー (honyaku-ai.com)

“AI翻訳家”が成功できる25の理由
理由その9
ネイティブチェックの際に、海外の方や英語力の高い認定講師や塩貝先生が添削してくださるので、アウトプットをしながら正しく使える英語を学ぶことができます。

AI翻訳アカデミー (honyaku-ai.com)

“AI翻訳家”が成功できる25の理由
理由その12
塩貝先生の翻訳の課題に取り組み、翻訳に慣れてきたら実際に塩貝先生の抱える案件に塩貝先生と認定講師とフィードバックを受けながら翻訳していく。

AI翻訳アカデミー (honyaku-ai.com)

“AI翻訳家”が成功できる25の理由
理由その17
名だたる企業、国、国際的な依頼まで多数こなす塩貝先生や認定講師たちが惜しみなく提供してくれる”翻訳の最新の情報と人脈の横流し環境”があるから

AI翻訳アカデミー (honyaku-ai.com)

“AI翻訳家”が成功できる25の理由
理由その19
塩貝先生と認定講師が直接手厚く添削やグループチャットでのサポート
このカリキュラムを教えることができるのは世界中で塩貝先生しかいません。もちろん信頼できる仲間や事務処理をしてくれている運営事務局のスタッフさんもいらっしゃいますが、塩貝先生と全く同じ指導ができない方にあなたのサポートを頼むこともできません。ということはつまり、塩貝先生自身が直接あなたをサポートする必要があるんです。そのため、塩貝先生と認定講師と直接やりとりができるグループチャットのサポートをさせていただきます。

AI翻訳アカデミー (honyaku-ai.com)

Q&A
Q. 塩貝先生に直接アドバイスを頂くことは可能ですか?
A. もちろん可能です。ただし、こちらは受講人数もかなり多いので、原則VIPプランでの受講者のみとなります。基本的には専任スタッフが回答することが多くなると思います。可能な限り塩貝先生もサポートメールを見るとのことですので、塩貝先生から返信があった際は無駄にせずに、行動に移すようにしてください。

AI翻訳アカデミー (honyaku-ai.com)

「英語力の高い認定講師」「信頼している認定講師」などの文言があるものの、その講師の素性、英語力について詳細な情報は無く、信頼に足る要素が全く読み取れない。理由その17の「名だたる企業、国、国際的な依頼まで多数こなす塩貝先生や認定講師」については誤読を狙っている可能性すらある。「名だたる~」が修飾しているのは「塩貝氏」であって「認定講師」ではないと思われるからだ。理由その19については、「塩貝氏にしか教えられない」「塩貝氏と全く同じ指導ができない人にサポートは頼めない」と言いつつ、Q&Aでは「原則VIPプラン以外では塩貝氏からのアドバイスは得られない」とも言っており、スタンダードプランを完全否定した内容である。
本広告は一読しただけでは、塩貝氏と同様、認定講師にも華々しい経歴があるかのような印象を受けるが、その実、塩貝氏以外の「認定講師」については何も語っていない。そして複業クラウドによると、その「認定講師」は時給¥1,200~1,500のアルバイトが務めている可能性がある。凄まじい経験を積んだAI翻訳家の塩貝氏と同等レベルのサポートを、多少研修を受けた程度の「認定講師」に出来るというのだろうか?仮にできるとすれば、AI翻訳アカデミーは、自分で自分の提供するサービスの質を貶めているようなものだ。

9月にスクール開講

続いて、担当業務の内容の部分について見ていきたい。

担当業務の内容
今年9月よりAI翻訳のオンラインスクールを開講しています
受講いただく生徒さんのサポート体制を万全にするため、課題添削いただける方を募集いたします!

talent.aw-anotherworks.com/projects/42063?code=undefined

気になるのは「今年9月よりAI翻訳のオンラインスクールを開講」の部分だ。これによると、AI翻訳アカデミーは発足からまだ3ヶ月程度しか経っていないサービスであるという印象を受けるが、これは塩貝氏の提供する広告とは矛盾する。AI翻訳アカデミーは、広告内及びYouTube動画内で6名のアカデミー元受講生からアカデミーの感想やAI翻訳と出会ってから人生がどのように変わったかなどについて語っている。動画には塩貝氏自らが出演してインタビューをしている。
以下は、2023/8/31に投稿された動画

https://www.youtube.com/watch?v=rRTtouDT6b4

8/31に投稿されたこの動画の存在は「今年9月より開講した」という求人情報と矛盾する。従って、広告及び動画内に出演している元受講生は、純粋な受講生ではなく、アカデミー開講以前から塩貝氏と元々関係のあった人物である可能性が高い。

また、同じく広告及び動画に出演しているアカデミーの元受講生のマッスル氏は、

YouTube講演家 鴨頭嘉人氏の主催する「トラベルイングリッシュ」にて塩貝氏と共にインストラクターを務めていた松澤卓氏、通称マッスル氏と同一人物である。従って、マッスル氏も、AI翻訳アカデミーの純粋な受講生というよりは、アカデミー以前から塩貝氏の同業者であったと考えられる。

トラベルイングリッシュ Travel English
https://kamogashira.com/te/

以上のように、今年9月に始まったとされるAI翻訳アカデミーは、8月末時点に元受講生からの声として動画があがっており、かつ元受講生の中には、アカデミー開講より以前から塩貝氏と関係性が認められる人物も含まれており、広告では少なくとも100%の真実を伝えているとは考えにくく、注意が必要である。

その他

この求人について  ■弊社ファイブアイズ・イングリッシュについて オンラインで英語を教えるスクールです。 「英語は仕事をしながら身につける」をモットーに、弊社に来るお仕事案件に一緒に取り組むことで実践的な英語力アップに繋げてもらっています。  今回のAI翻訳講座も現在600名以上の生徒さんからの申し込みがあり、 今後追加募集の可能性もあります!
https://talent.aw-anotherworks.com/projects/39945

その他求人情報の気になる点を紹介する。本スクールは、Q&Aにて、入校にあたっては「年齢や性別などは一切関係なく、条件等もございません。誰でもどんな環境からでもご参加いただけます」としているが、副業クラウドではスクール受講者を「30代以上の英語初級・中級者」としている。600ある申し込みの中で10代、20代の受講生が一人もいないという事があり得るのか、それとも概ねその年代以上ということなのか。そしてファイブアイズ・イングリッシュ公式HPでも未公開だった「従業員数~10人」という数字+アルバイトの認定講師で、600ある申し込みに対応できるのかは甚だ疑問である。


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