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機械翻訳YarakuZen公式、某翻訳スクールとの関係を完全否定

2023/12/21、AI翻訳プラットフォームYarakuZen(ヤラクゼン)を提供する八楽株式会社が、昨今話題になっている「英語力は一切不要で翻訳者になれる」と謳う翻訳講座との関与がない旨の声明を発表した。声明の中では、今月11日に通訳翻訳4団体が共同で出した声明についても言及している。

声明の中では名指しこそされていないものの、「英語力は一切不要で翻訳者になれる」という宣伝文句からして、これは株式会社ファイブアイズ・イングリッシュの代表、塩貝香織氏の主催するAI翻訳アカデミーに関するものだと考えられる。

そもそもAI翻訳アカデミーとは何なのかについては、以下ぶみにゃんご氏のNote記事が分かりやすいのでご参考いただきたい。

YarakuZen声明発表の経緯

そもそも今回のYarakuZenの声明発表には、以下のような経緯があると考えられる。

①AI翻訳アカデミーは、かねてより公式LINEで無料動画講座4本を無償提供しているが、その中の第3話で、アカデミーではAI翻訳ソフトとしてYarakuZenを使用することを公表していた。

②2023年11月初旬あたりから出された広告(画像では中央下部)には、アカデミーでは「アジア太平洋翻訳協会受賞したAIシステム」というようにYarakuZenの使用を仄めかす文言が書かれていた。

https://honyaku-ai.com/lp/short/

※因みに、画像中にある「アジア太平洋翻訳協会」とは、「アジア太平洋機械翻訳協会」の誤りと思われ、某日から強気にも「アジア太平洋機械翻訳協会で受賞したAIシステム」と修正されている。

https://honyaku-ai.com/lp/short/

③この広告内容では、あたかもAAMT(アジア太平洋機械翻訳協会)及びYarakuZen全面協力の元、AI翻訳アカデミーが実施されているかのような印象を与えていた。

見解

YarakuZenによる今回の声明発表は、筆者にとってはかなり意外だった。AI翻訳アカデミーがどういう契約をしているのかは知らないが、YarakuZenにとって、受講者数600人を抱えるという本講座の主催者は間違いなく太客であった筈だ。今回の声明は、そんな大きなビジネスチャンスをかなぐり捨てたと言える。そんな目先に利益に囚われなかったYarakuZenの対応は高く評価されるべきだろう。

さて、それはさて置き、YarakuZen公式にこんな声明を出されてしまったAI翻訳アカデミーは、果たして今後もYarakuZenを使用し続けるのだろうか?アカデミーとしては、YarakuZenが無ければ受講生に教えられる事が少なくとも部分的になくなるだろうし、そうなるとカリキュラムの大部分を大幅変更せざるを得ないのかもしれない。かと言ってこれまで投資したであろう費用を考えると、今更止めるに止められない状況なのかもしれない。

果たして、AI翻訳アカデミーの運命やいかに。

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