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面談、コーチング、1on1、メンター制度の違い

codeFaberという会社でメンター・コーチをやりつつ、作家業・芸能活動をおこなっているナナシロです。わんわんパンパンポメラニアン!

今回はマネジメントの手法としてよく聞く

  • 面談

  • コーチング

  • 1on1

  • メンター制度

の四つについて、その違いを解説します。

1on1について記事を書いているときに、
「そもそも似たような概念が多すぎてみんな混乱してそう」
と思ったので、今回の記事を書くことにしました。

面談とは?

面談とは、一対一で対面して話をすること全般を指します。

ただ、ビジネスにおいては、

上長や人事と従業員が対話をおこなう場

という意味合いになります。
人事評価面談がまさにそうですね。

ビジネスにおける面談の目的は、

情報交換をし、お互いの主張をすり合わせること

です。

人事評価面談であれば、従業員は自身の成果や課題を詳らかにして希望を伝え、上長は会社の基準に基づいてフィードバックしながら人事評価をおこないます。

コーチングとは?

昨今ブームになっているとも言える「コーチング」。

コーチングはとても広い概念なので一概にこれとは言いづらいものです。

一応、
コーチの役割を担う人がコーチング対象者の成長のために対話をする
という点では、どのコーチング観も同じです。

ですが、日本にもともとあったコーチング観とアメリカから輸入したコーチング観はかなり違いますし、スクール、団体、企業ごとにもコーチング観には差があります。

なので今回は、コーチング観ごとにざっくりと解説します。

コーチング観①:目標を達成へ向けて指導すること

もともと日本にあった「コーチング」と言うと、アスリートに対するコーチングかと思います。

これはコーチが対象者を導く「指導」の要素が強いものです。

ポイントは主体が「コーチ」側にあることです。

はっきり言ってしまうと、現代はこのコーチング観があまり是とされていません

なので、巷でよく聞く「コーチング」は次に紹介するコーチング観②や③の方が近いです。

コーチング観②:能力や気力を引き出し、目標達成へ向けた自発的な行動を促すこと

①と違って主体が対象者(会社なら部下)側にあります。

あくまでコーチ(上長)側は対象者の中にあるものを引き出す役割に徹します。

「こうしなさい」と道を示すのではなく、対象者自らが「こういう風にやっていきます」と決めて歩み始めることをサポートする形です。

企業で期待されているコーチングはこのコーチング観が近いと思います。

コーチング観③:②に加え、キャリア形成や人間的な成長も促すもの

②の上で、組織の構成員という範疇を超えて、対象者の人生にまでアプローチするコーチング観です。

コーチングという独立した概念の理想形は、このコーチング観が近いと思います。

ただ、このコーチングを企業で実現するためには一つ問題があります。

それは、
利害関係がある者同士で実施するのが望ましくないこと
です。

というのも、上長・部下という利害関係があると転職の検討やプライベートの悩み、上長に対するネガティブな感情の共有などがおこなえないからです。

一応、外部コーチを導入することで解決はできますが、かなり深いところまでアプローチすることになるので、難易度が高いことは間違いありません。

1on1とは?

コーチングもそうなんですが、1on1もアメリカから輸入した概念。
そのため、解釈がものすごく広くなっています。

すべての1on1に共通する定義としては、
上司と部下が一対一でおこなう気軽なミーティング全般
となるかと思います。

ただ、さまざまな1on1に関する書籍や導入している企業の記事を読んでいる感じ、

上司がコーチングの手法を用いて部下と面談をおこなうこと

がもっとも1on1の現状に近い解釈かと思います。

ここで言う「コーチングの手法」というのは、②③のコーチング観におけるコーチング手法ですね。

要するに、対象者の内側にあるものを引き出すようなコーチングです。

(このコーチング手法の詳細ややり方については、また別途記事にしますね。)

1on1の場合、関係性が上長と部下のため、課題解決や目標達成へ向けて行動や成長を促す観点が強いです。

部下の成長が上長の評価にも直接繋がるため、「コーチング観②」と比べると指導要素が強くなることがままあると思います。

メンター制度とは?

1on1同様に導入する企業が増えているのが「メンター制度」です。

メンター制度を解説する前に、まずメンタリングについての説明をします。

メンタリングとは?

コーチングと近い概念としてときどき聞くのが、この「メンタリング」。

メンタリングも広い概念ではありますが、ざっくり言うと、

心理的な面のサポートも含め、メンターがメンティー(対象者)の人間的な成長を促すために対話をすること

です。

ここでポイントになるのは「心理的な面のサポートも含め」と「人間的な成長を促すため」という部分。

そこが、コーチングより求められることが幅広い部分です。

実は先ほどコーチングの章で紹介した「コーチング観③」の
「キャリア形成や人間的な成長も促す」
の部分がとてもメンタリング的ですね。

メンター制度について

メンター制度とは、そんなメンタリングをおこなう制度のことです。

ただ、「コーチング観③」でも触れたとおり、上長・部下という直接的な利害関係がある同士だとメンター制度は上手く機能しません。
精神面のケアや人間的成長の促進が難しいからです。

なのでメンター制度を導入している企業では、関係のない他部署の先輩をメンターに任命することが多いです。

コーチングや1on1ではなくメンター制度を採用する組織は、メンターに精神面のフォローを期待していることが多いと思います。

カウンセラーほどの専門性は求められないにしても、カウンセリング要素が必要にはなるので、やはりコーチングと比べるとメンターは負担を感じやすいかもしれません。

まとめ

昔と比べると現代のマネジメントは、

指導(叩き上げ)よりもコーチング(引き出し)やメンタリング(寄り添い)が求められる傾向が強いです。

そのコーチング手法を用いた上司と部下の対話の場を「1on1」と呼び、業務に取り組む一従業員という範囲を超えて精神的なケアをおこない、人間的成長をサポートする制度を「メンター制度」と呼んでいるんですね。

なので、面談、コーチング、1on1、メンター制度は、それぞれ目的もスタンスも振る舞いも使う言葉も違うものになるはずです。
(実際、私はすべて変えています。)

もし一緒くたになってしまっている場合は、今一度取り組みを見直す必要があると思います。

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