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1月2日、17時30分に着陸した飛行機に乗っていたから考えたこと。

今日の午後、飛行機で福岡に帰ってきた。成田を15時に出発し、17時30分に福岡に着陸予定の飛行機で、ほぼ満席。混雑している中でも時間通りの離着陸となり、(道中富士山を見られたこともあり)充実した飛行機旅ができていた。

今回は帰省で荷物が多かったので、預け入れ手荷物でスーツケースを預けていた。飛行機から降りて、返却のベルトコンベアの前に向かい、いつも通り荷物を待つ。ほぼ満席の乗客の荷物はいつもより多く、私の荷物はなかなか出てこない。

迎えに来てくれている友達がいたので、(早くでてきて…)と焦る気持ちも出てきて、荷物の出口を見つめていた。

さまざまな色や形の荷物が出てくる中で、突然ある荷物に目を奪われる。クタクタになった肩掛けのスポーツバッグ。コーティング部分はハゲている部分が多くて、かろうじて白と水色のバッグのように見える。

その荷物を見て、ふいに(たくさんがんばったカバンなんだろうな)と思った。今までそんな感情になったことがなかったので、不思議だったのだけど、そこから堰を切ったように、目の前を流れていくカバンの古さ、新しさが気になってきた。

まだピカピカで「カバン人生が始まったばかり」のように見えるスーツケース。少しくたびれてきたけど「良い感じに味が出てきた」カバン。

そうやって気を取られていたら、私のスーツケースも出てきて、(なかなか味わいがあるね)と思えた。Samsoniteのグレーで少し大きめ。しっかりとしたつくりで目立つ故障もない。もう5,6年一緒に過ごしていることに気づくことができて、(相棒、これからもよろしく)なんて、なんだか少し得をした気持ちになった時間だった。

その後、迎えに来てくれた友達の車に乗って、エンジンがかかると同時についたテレビの映像に釘付けになった。羽田空港で火災があり、そのときの放送では詳しい情報はわからないとのこと。その後続報が出る度に、どんどんと気持ちが暗くなっていった。

結果として、JALの飛行機に乗っていた乗客のみなさんは無事で、本当に素晴らしい対応だったのだと思った。ただ、事故の規模は大きく、大きな機体は燃え尽きているような映像が流れてきた。亡くなった方もいた。いろんなことが重なった。いろんな感情が私の中で溢れて、ただ、心が痛い。

家に帰りついたら、どっと疲れを感じて、イスに腰掛けてしばらくぼーっとスーツケースを見ているうちに、思いが駆け巡ってきた。

機内アナウンスでは「緊急時は荷物は全て残して避難してください」と言われる。今回もそうだったのではないだろうか。愛着があって、大切なものを無くすことのつらさも計りしれないと思った。

もちろん、命があることが一番重要で、考え方、捉え方によるし、人それぞれだと思うけれど、もう二度と会えないこともあるのかもしれない。そのくらいの気持ちで、大切にしていかないとと思えた。

たまたま同じ時間帯に、飛行機に乗っていただけ。でも、大きく気持ちを揺さぶられた偶然を後悔のないように残しておきたくて、noteに書いた。

緊急時は本当にある。飛行機の最初のアナウンスにある、緊急時の説明は必ず聞いて動けるようにしておこう。いろいろなことが起こる2024年。みなさんも、どうか忘れずにいてください。

被害に遭われた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災されたみなさまに心よりお見舞い申し上げます。


ここまで読んでいだだき、ありがとうございました!もっとすてきな記事をお届けできるように、頑張ります!