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ダイヤモンドダストはどうやってできる?【2/17は天使の囁き記念日】

本日、2月17日は「天使の囁き記念日」に制定されています。天使の囁きとは、気象現象のひとつであるダイヤモンドダストの呼び名です。雪原の空気がキラキラと瞬くようすが、天使が囁いているように比喩されたのが由来と言われています。

2/17が記念日になったワケ

その神秘的な気象現象を記念する日をつくったのは、北海道の幌加内町(ほろかないちょう)にある「天使の囁き実行委員会」という団体です。なぜ2月17日にしたのでしょうか。それには理由がありました。

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1978年の2月17日、同町の母子里(もしり)にある北大演習林において、氷点下41.2℃という最低気温が記録されました。気象庁の公式記録の対象から外れていたため、公式記録ではありませんが(日本最低気温は1902年1月25日に旭川市で記録された氷点下41.0℃)、日本最寒の地――母子里、というイメージは全国に轟いてしまいました。

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氷点下40℃以上なんて本州の人間からすれば想像もつきません。濡れタオルを振り回して棒のように凍るのが氷点下20℃と言われていますのでそれ以上ということになります。
まさに試される大地!超絶寒いぜ母子里!そんなイメージで全国に浸透してしまいました。

これをなんとかプラスイメージに変えようと、1987年から町内の若者グループが中心となって、この最低気温を記録した2月17日に、同町で見られるダイヤモンドダストの観察や極寒を体感する「天使の囁きを聴く集い」を開催するようになりました。そして1994年、ダイヤモンドダストの記念日「天使の囁き記念日」としたのです。

ダイヤモンドダストを見られる超レアな条件とは?

この天使の囁きはどうやってできる現象なのでしょうか。
ダイヤモンドダストの正体は、水蒸気が凝固してできた氷晶(細水)といわれるものです。この大気中に漂っている氷晶が、日光を反射してキラキラと輝きながら、ゆっくりと空中を舞い降りていきます。

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この氷晶は、一点の気象条件下でしか現れません。
それは気温が氷点下10℃以下になっていることと、風が凪いでいること。いくら寒くても、風がビュービュー吹いている場所では見られないのですね。

さらに、もうひとつ重要な要素があります。それは日光が当たっていること。いくら寒くて風がなくても、陽の光がなければ細かな氷晶が見えないのです。あのキラキラと輝いているようすは日光によって、氷晶が反射するから見えていた光景です。
つまり、このダイヤモンドダストは、一定の気象条件下でしか見ることのできない、ものすごく珍しい気象現象だったのです。

日本では、強い風が吹かない盆地や内陸の平野部で見られます。
幌加内町や旭川など河川の多い場所では、空気中の水分が多いため、ほかの地域より見られる確率が高いそうです。

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極寒の雪原で見られる輝く風。見られる日は限られてしまいますが、一生に一度は見てみたい光景といえるでしょう。

2020/2/17 Ⓒオモシロなんでも雑学編集部

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