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南国で地質巡検を楽しむ

南国操業会社では、社員のG&G メンバー (Geology & Geophysics: 地質屋&物探屋) の知見・技術力向上の一環として、会社の予算を使って地質巡検に行くことがあります。

こういうアレンジとなると、普段の仕事ぶりからは想像もできないほどやる気を見せる同僚がいます。持てる交渉力と人脈を駆使して、私には想像できないような巡検を準備してしまうこともあります。

私などは巡検、特に身内の巡検と言えば、いかに長く露頭を観察するか、いかに効率よく重要な地質露頭を数多く回るかなどを考えてしまいがちですが、同僚は、どうせ行くなら巡検だけではなく楽しもうという発想なのでしょう。身内の巡検でも、アミューズメント要素を取り入れたり、ちょっとチームビルディング要素も取り入れたりしながらアレンジするところがすごいなと思います。

もちろん、セミナー会社や学会などが主催する巡検会は、参加者の満足度を高めるために綿密にアレンジされた、参加者を飽きさせない素晴らしい巡検も数多くありますが、同僚は身内の巡検でもサービス精神旺盛な巡検をアレンジしてくれます。

巡検は日帰りのこともあれば、一泊で行くこともあります。国境を陸路で越えて隣国まで行くこともあります。

巡検は車での移動が基本です。結構な山道や砂利道を通るため、マイクロバスなどは使わず、たいていTOYOTA、NISSANなどの4WDを数台連ねていきます。運転手付きのこともあれば自分たちで運転していくこともあります。

巡検の主な目的は、普段私たちが開発している油層や根源岩が地表に出ているところへ行って観察することや、油層などが堆積した当時と似たような現在の堆積環境を観察することです。したがって、山や海辺に行くことが多いです。油層の連続性や不均質性のイメージや、地震探査データや坑井データが代表するスケール感など、油層モデリングを行うための感覚を身に着けるのに非常に役に立ちます。

地質屋や物探屋だけでなく、リザーバー・エンジニア、シミュレーション・エンジニアなども招待して、油層モデルをどう作っていくか、地下のデータをどのように収集していくかなど、露頭を前に議論することもあります。

船がチャーターされていて、海から海岸を観察したり、シュノーケリングで海岸沿いの海底を観察したりしたこともあります。一番驚いたのは、山道を車で進み、途中車を置いて歩いて露頭にたどり着くと、露頭の前にはきれいにテントが張られ、ケータリング会社によってBBQの準備がすっかり整っていたことです。ケータリング会社のスタッフが手渡してくれる冷たい飲み物とBBQに舌鼓をうちながら、露頭を観察しました。

非日常を味わえる地質巡検は、仕事というよりリフレッシュという位置づけなのかもしれません。でも何事も楽しむ姿勢は嫌いではありません。私も同僚との野外でのディスカッションを楽しみました。


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