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辺野古基地建設。なんだかどこかで聞いたような話。

沖縄県名護市辺野古の米軍進基地建設をめぐって、焦点となっている埋め立て予定地の軟弱地盤の対応をめぐり、沖縄防衛局の設計変更にお墨付きを与えた技術検討会の委員2人が、就任した2019年9月以降に、関連工事の受注業者から計230万円の奨学寄付金を受け取っていたことが東京新聞の記事に出ていました。

[東京新聞 Tokyo Web 2023年11月12日 06時00分]

奨学寄付金は民間から大学などに寄付される資金で、民間企業などの利害に絡む判断を下す国の規制委員会や技術検討委員会などの委員には、関連企業からの寄付を申告させ、公表したり、関連企業から寄付を受けた委員は議決に加われないなどの制限を受けたりする場合もあると言います。これらは委員会の公平性や客観性を保証するための当然の考え方のような気がします。

記事によると、辺野古の技術検討委員会に関しては、

辺野古の技術検討会は、土木工学の専門家ら8人の委員で構成。設計変更に関して専門的見地から技術的な助言を得るため、防衛局が委員を選んで2019年9月に設置した。8人のうち半数が、旧運輸省OBの大学教授ら政府系出身者で、当初から審議の中立性や客観性に疑問の声が出ていた。

とのことです。奨学寄附金の有無について東京新聞が開示請求をおこなったところ、少なくとも2人の委員が委員就任前にも就任後にも、辺野古工事関連企業から寄付を受けていたことが分かったそうです。

また、8人の委員のうち少なくとも3人は、受注企業と共同研究をしたり、受注企業が設けた有識者会議の委員を務めたりもしていたとのことです。

沖縄防衛局報道室は、「各委員の研究活動が、技術検討会における議論の公正性・中立性に影響があるものと考えていない。各委員が有している技術的・専門的知見を基に、客観的に議論いただいているものと認識している。」と答えているようですが、私の感覚では、これらの委員によって客観的な技術検討が行われていたといわれても、にわかには信じられません。そのような疑惑を避けるためにも委員の人選は慎重である必要があると思います。

本年9月には、難工事が予想される軟弱地盤の工事には手を付けていない段階の2022年度末時点で、防衛省が当初見積もった総工費3500億円を上回る4000億円以上が投入されていながら、埋め立ての進捗率は14%に過ぎないとの報道がありました。

[東京新聞 Tokyo Web 2023年9月4日 06時00分]

見積もりの甘さといい、まるで結論ありきの技術検討委員会の人選といい、本当に、なんだかどこかで聞いたような話ばかりでがっかりさせられます。

沖縄県にとっては本当にいつ完成するかもわからない、リスクだらけの辺野古の工事をなし崩し的に進められ、一方で危険な普天間基地も辺野古の軟弱地盤難工事のためにいつまでも移設できない可能性があるわけですから、たまったものではないはずです。


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