見出し画像

朝日年鑑、少年朝日年鑑

私が子供の頃、実家には「朝日年鑑」がありました。父親の書斎に占める目立つ本ランキングの上位を占めていました。ちなみにその他父親の書斎でわたし的に目立っていたなと思うのは、「世界大百科事典」「広辞苑」「六法全書」「地学事典」などです。

朝日年鑑は朝日新聞社が出版していて、1925年から2000年まで発行されていたそうです。

世界大百科事典とともに特に社会科系の宿題のために活躍してくれました。そして大人になった私も自分のお金で年鑑を買ってみたことがあります。たぶん、毎年ではなかったと思いますが、ときどき手に取ってその年の出来事をじっくり振り返ったりしていました。

私が子供の頃には朝日年鑑の小・中学生向けの年鑑として「少年朝日年鑑」というものもありました。「少年朝日年鑑」という名前では1949年から1987年まで出版されていたようです。

父親の書斎でみた朝日年鑑に影響されたのか、しばらく少年朝日年鑑を買ってもらっていた時期があります。ちょうどベトナム戦争末期の頃で、小・中学生向けの年鑑と言っても戦争の衝撃的な写真がそのまま掲載されていたこともありました。

その写真を見た衝撃は今でも忘れられません。戦争は悲惨なものだと思いました。とにかく戦場には行きたくないと思いました。

年鑑にはさまざまな統計情報などが収められていて、その客観性、正確性が求められます。一方で、1年に起こったニュースをどのような切り口で、どのようにとらえるか、出版社の立ち位置というか、思想が現れる面白い書籍だと思います。個々独立しているように見えたニュースの関連性が分かったり、世相が見えてきたり、読み物としても大変興味深いものでした。

一時期、様々な新聞社や通信社などから年鑑が出版され、書店ではたくさんの年鑑が平積みされるような年鑑ブームみたいな時期がありました。いまでは分厚い年鑑を書店で見ることは少なくなった気がします。ネットで刹那的に流れていくようなニュースに追われ、じっくりと年鑑をまとめ上げる時間がないのでしょうか?それともじっくりとニュースや資料を読み込む読者が少なくなってしまったのでしょうか?

年鑑を見ながら日々のニュースをじっくり咀嚼しなおし、自分の思考を整理する時間は、今思うと大切だったなと感じます。

年鑑を読む代わりと言っては何ですが、大事なニュースはその記事をいつでも参照できるようにして、その時感じた自分の気持ちをこのnoteに書き留めておくことは自分にとって大切にしたいなと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?