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2022年8月に読んだ本まとめ

今月は『夜が明ける』と『ペリリュー』が良かったです。どちらも読んだ後に何かしら世界の見え方が変わるような作品で、一カ月に2作品も出会えるなんて非常にラッキーでした。

文芸書

京極 夏彦著『絡新婦の理』

春ごろから読んでいる百鬼夜行シリーズもこれで5作目。一応20代前半の頃に全シリーズ読んでるので再読になるのですが、『絡新婦の理』が一番好きですね。比較的PCにうるさくなった現代に読んでも違和感がない主張がされているというのが面白いですね。20代の頃にどう思ったのか聞いてみたいところなんですが、残念ながら当時の感想はどこにも残っていないようです。

西 加奈子著『夜が明ける』

以下にまとめてみました。ただ楽しい、日常を忘れられる物語というのも好きなのですが、こういった読了後には世界を見る目が変わるような小説こそ読むべきだと思ったりしました。

漫画

武田 一義著『ペリリュー ─楽園のゲルニカ─』

実際にあった太平洋戦争末期の「ペリリューの戦い」を題材に書かれた漫画なので、当然殆どのシーンはペリリュー島での話なんですが、登場人物が復員した後の話の方が印象に残りました。

もちろん、戦時中の体験は凄惨で苛烈ですが今までそれなりに目にする機会があったように思います。この漫画では、取材に基づいて戦争という非常時を生き残った人が、どういった気持ちを抱えて平時に溶け込んでいったのかについても触れられていました。

それをもって、改めてあの時代と我々の時代が地続きであることを認識させられた気がします。これも少し読了後に世界の見え方が変わる稀有な漫画です。

2022年7月分


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