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『2040年 「仕事とキャリア」年表』を読んでみた

まとめ

2040年までの日本の雇用について予想が書かれた本。

前半に書かれている「ジョブ型雇用」の米国と、「メンバーシップ型雇用」の日本の仕事やキャリアの違いはこれまで私が読んできた本や記事なんかと、大きく齟齬なく分かり易くまとまっているので、そもそも「ジョブ型雇用?」「メンバーシップ型雇用?」となっている人は読むとざっくり把握できていいのではないかと思います。

後半に書かれている未来予想と対策も前半の前提から考えるのであれば、大きくは外れることはないのではないかと思える内容です。ただ、正確な年が指定されているあたりは眉唾です。未来は不確定なのでそもそも人口推移などほぼ揺るがない情報に基づいた予想以外は外れることもあり、絶対にこうなるなどとは思わない方が良いなぁと思います。ただ、この本に書かれている比較的確度が高そうな内容を未来予想の一つとして持っておいて損はないと思います。

章ごとの感想等

第一章

徐々に浸透してきている「ジョブ型雇用」について、本家ともいえる米国の現状が紹介されています。職種や、社歴ではなく職務によって賃金が規定されるというのは平等ですが、日本でこれから導入されると、会社で理不尽に耐えれば給料が年次で上がると思っていた仕事のできない中高年にはつらいなぁ。と思ったりします。

第二章

一章とは対照的に「メンバーシップ型雇用」について、日本の現状を見ていきます。ジョブディスクリプションが定まっていないので、会社にいて自体に対応できる(経験値が高い、途中で抜けない、長時間勤務が可能な)人が偉くなるというのが、メンバーシップ型雇用で年功序列の賃金制度かつ、男性優位になっている理由なんじゃないかと思いました。

労働力確保の錦の旗の下「定年退職」が後ろに引き伸ばされましたが、年功序列で給与が上がった人を体よく解雇できる仕組みが「定年退職」だと考えるとそれの後ろ倒しは、年功序列の賃金制度しいては「メンバーシップ型雇用」の終わりの始まりなんだろうなぁと思います。まぁ、年齢差別もダメですしね。

第三章

2020年からの20年間を著者が予想した内容が書かれています、記載されている年にそういったことが本当に起こるのかというのは眉唾ではあるものの大きな流れとしては納得感のある内容がと思いました。
凄く雑に捉えると、労働時間や忖度が是とされ、性やら年齢やら、雇用形態なんかによる差別がはびこる日本の旧来働き方が、グローバル(米国)に寄っていく過程で起こることと、人口推移によって起こることがまとめられている感じでした。これ自体は他でも見かける予想なのできっと起こるのだろうなぁという感じです。

第四章

第三章で紹介された変化に読者はどのように準備すべきかが書かれていました。米国のような博士でなければ高収入になれぬという学歴社会が来るのであれば、大学も出ていない私は、何かしらのスキルやら実績がないと大分やべぇなと思った次第です。まぁ、年齢的には2040年に現役でいたくはないんですけど。

あとがき

あとがきにみなさんご存じ退職金は長期間働けば働くほど、税制面で優遇されますと書かれていました、私は知ってましたが、皆知ってるんだろうかと疑問に思ったりしました。そういう意味では配偶者控除も受ける側の人の年収が1,000万円超えてると受けられないってのもみんな知ってるんだろうか?(私はどちらもFPの勉強して始めて知りました)

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