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ロシア軍の"亀戦車" 迷走する戦術

皆様、おはようございます。

最近、複数確認されているロシア軍の"亀戦車"の話です。

分析が毎度非常に秀逸なので、アックスさんの記事を貼っておきます。

所謂亀戦車は、戦車を中世の破城槌のように屋根で覆ったものです。

この改修をされた戦車はT-72の増加装甲の無いもので、強化されないままの前時代の兵器です(強化されているものは現代の主力)。

T-62のようなもっと古い戦車も同じ改修を受けている可能性があります。

このような措置を取ったのは、安価なドローンによる小型爆弾の投下、対戦車弾、地雷を積んだ自爆ドローンの攻撃を防ぐためのものと考えられます(そもそもこれを除きメリットを感じられない。)。

すでにドローンに屋根を掻い潜られて破壊されており、改修の効果が低そうです。

屋根は木材と考えられており貧弱ですが、これが他の金属材に代わってもこれ程の薄い装甲だと簡単に低火力な爆発物にも破壊されてしまうでしょう。

ただ、戦車本体に関しては爆発物やHEAT弾(成形炸薬弾、対戦車榴弾→均一の装甲には高火力)の一発目は防ぐことができるでしょう。

高速度のAPFSDSを含む徹甲弾には何も意味をなさないでしょう。

タンデム弾頭(複数の段階で装甲を侵食する弾頭、現代のジャベリンでもこの弾頭が使える)でも破壊されるでしょう。

現在の戦争ではあまり行われていませんが、歩兵の肉薄にも非常に弱い改修です。

メリットは、屋根に覆われている部分は爆発物で一撃で破壊されないというところです。

ドローンに一撃で破壊される戦車は少なくない状況になっているので、ロシア軍はこれを最も警戒しているのでしょう。

しかし、デメリットが深刻です。

戦車の肝心な砲塔旋回が非常に限定的で視界も著しく悪くなり、本来規格に無いものを搭載したせいで機動力が奪われている可能性もあります。

どうしてこのような改修をするのか?

ロシア軍が近代化改修をする余裕がなく、ウクライナ現地をいくらか占領しても、現地産業で改修ができないのです。

せめて、ハルキウを占領しなければ不可能でしょう。

現場の知識、資材レベルでドローンを対策するには、今のところこれしかなかったのだと思います。

戦車戦術を行使するための原理主義的な行動のように感じられ、もっと上位の指揮系統からの解決策も提示されず、戦術レベルの迷走を感じます。

初夏前後に行われると思われるロシア軍による攻勢は順風満帆ではないでしょう。

戦術レベルで迷走している状況で戦略的な概念を唱えることがナンセンスです。

歩兵による総力作戦しかできず、ある程度の前進はあるでしょうが、現在の数倍は死傷者を出すことは容易に想像がつきます。

この作戦を無理に行使すれば、兵站はより絶望的になり、とても戦争が続けられる状況ではなくなります。

油断せずにこの攻勢に耐え、戦時に発展した自国の装備と兵法、支援国の装備を駆使することでウクライナ軍はロシア軍を大きく押し返すことが可能だと思います。

どういう形であれ、ウクライナを荒廃させないためには対空、防空装備が必要です。

以前にも言いましたが、日本は対空、防空装備大国です。

他の装備を提供する気が無くても、無実の人を守るための対空、防空装備の提供はできるはずです。

Слава Україні!

Героям слава!

Україна понад усе!


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