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【詩】横綱は恋をしない

君のバンドメンバーを見ててもね
「服が素敵」と思っただけ

お年寄りは優しいけど、生理的に受け付けない
彼の理想の女性になるのは息苦しいよ

ナンパしない人は誠実だけど、
君に捨てられる不安から逃げた
私の不誠実だった

別に恋がしたかったわけじゃない
恋愛なら誰でもいいんじゃない

お姫様になって
白馬の王子様に出会いたかったんじゃない
王子様に幸せにして欲しかったんじゃない
君に王子様になって欲しかったんじゃない

恋より君が好きだったんだ
男でも女でもなく
君が好きだったんだ

自分にない物を持つ君だから
私には出来ないことができる君だから
親に反対された生き方を応援してくれる君だから
都合の悪い私にも寄り添おうとした君だから

月の日は嫉妬深くても
男社会への悲しみが溢れ怒りになっても
見捨てられ不安が強くても
社会の変化に心が揺れ動いても
君の愛を信じて動じない横綱でいたかった

君の言葉に一喜一憂しないで
どっしりと構えていたかった

自暴自棄の不誠実も
罪悪感や後悔や差別される恐怖からの不誠実も
自分と同じ悲しみ繰り返したくないための嘘も
全部愛に変えたかった

もうお金だけじゃ生き残れない現在の時代
仕事と言霊と私の知恵で
ベランダに植物の命を育みながら
自立して生きられる横綱になりたい

現実には叶わない夢かもしれないけれど、
今度こそ、横綱の愛と包容力で、
自由な君に優しくできる自分になりたいんだ

君が仕事を頑張っている姿を思いながら、
今日も生きていく



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