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学校に行きたくない!と思ったときに読む本vol.3

 こんにちは。菜のはな書房です。
 学校に行きたくない!と思ったときに読む本、第3回は、綿矢りさ「インストール」を紹介したいと思います。

あらすじ
 高校3年生のある日、朝子は学校に行くことをやめ、部屋の家具も全部捨ててしまう。ゴミ捨て場でパソコンをゆずった小学生、かずよしと直ったパソコンを使い風俗嬢の代わりに風俗チャットのアルバイトをすることに⁈

平成サボり文学

主人公の朝子は、1・2年次は比較的真面目に通学していましたが、受験を控えた3年生のある日、同級生の光一のアドバイス(というか教唆)によってドロップアウト(登校拒否)を敢行します。
光一と朝子の会話が「学校に行きたくない」(でも行かないといけない)葛藤の表現として非常に的を射ているので引用します。

「まぁもし疲れてるんなら、一回学校休んで休養とったら? あんた今まで無遅刻無欠席だから知らないと思うけど、人が働いている時に休むと、皆が休んでいる時に一緒に休むよりも二倍充実した一日が送れるよ。なんとなく焦るから自由時間の密度が高くなるんだ。」
「休みたいけど、一回休んだら、次の日も、また次の日も学校行けなくなる気がする。」

インストール  p6〜7

どうでしょうか。こちらの会話。

まさに「学校に行きたくない!」の気持ちそのものです。
これ以上ないほど的確な表現で驚きました。
綿矢りさ先生現役10代の頃の筆致なので、リアルタイムにこの感覚を拾えるのはさすがというほかありません。

この後も同じクラスの留年生・松本さんのエピソードなど、「サボり」に対する主人公のスタンスが語られる部分がありますが、この作品は「学校に行きたくない」「けど本当にサボる勇気はない」という人にはぜひ読んでほしいです。

シリーズ第4回は「自分らしさを手に入れるまで〜元女子、現男子&normal?〜」を予定しています。お楽しみに!

追記:リンク追加 こちらからどうぞ↓

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