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「トゥモロー・ウォー」の感想(ネタバレあり)

Amazonプライムオリジナル配信作品。
ウィズアウト・リモースに続いて、CMとかもガンガンやって明らかにAmazonプライムビデオ的には気合いが入った大作って感じ。

ごちゃ混ぜ映画

レゴバットマン ザ・ムービーのクリス・マッケイ監督、最新作。
個人的にはレゴバットマンが歴代のバットマン映画で一番の傑作だと思っていて、もう作られつくした感もあるバットマンという題材をパロディ的な目線も込みで、彼が持つ孤独やそれ故の人間としての欠陥みたいな部分をよく描き、レゴだからこそ提示できるハッピーエンドも用意してもう「完璧じゃん、、、」としか言いようがない位好き。

そんなレゴバットマンは文字通り色んな映画をごちゃ混ぜにした作品だったけど、今作も色んな映画を混ぜ込みながらどんどん切り替わっていくのが面白かった。

大量のクリーチャーと闘うのはスターシップトゥルーパーズっぽいし、荒廃した未来で自分の子供が軍を指揮している感じはターミネーターっぽいし、ラストの宇宙船の中の生物兵器が逃げ出して偉いことになっている感じとかモロにエイリアンシリーズだし、名作SF作品ベスト版みたいな内容だ。

未来から兵士がくるのはターミネーター的だけど、現代で敵を倒すのではなく徴兵に来たというのがなんとも新鮮。
未来の為に過去を改変するのではなく、人がいっぱいいる時代から未来に人を送るというアイデアが面白い。

後、ラストの宇宙船内でのエイリアンシリーズっぽい展開も楽しかった。1番逃がしちゃいけないヤツをあっさり逃がす所は笑ったけど、目の見えない状態の敵に対して、銃ではなく戦友が残した鉤爪で闘う所はめちゃくちゃ熱い。
「これはあいつの分!これはあいつの分だ!」と、銃で撃ってもなかなか効果のなかった敵を素手で恨みを込めながらギタギタにする最後の「死ねー!」はスカッとした。

色々と乱暴

映画で起こる事自体も乱暴だし、色んなモチーフのごちゃ混ぜの仕方もストーリーテリング的に乱暴なので、ボロクソ言う人がいてもおかしくないけど、それも含めてジャンル映画的で僕は楽しかった。

まずタイムスリップの座標ずれによる落下で半分以上人が死んでるのは笑った。それまで飛ばされる人達が「頑張って生き残らなければ」って空気だっただけにあんまりに無情。高層ビルの上にあるプールでしか無事に生き残れないってどんだけだよ。

その後もずぶの素人がやる任務してはあんまりにハードル高い。指揮できる元軍人数人でその他素人が全然死なない宇宙人と戦わなければならないって捨て駒としか言いようがない。
おじさんが「俺は隠れてるだけの卑怯者」みたいな事を言ってたけどそれが普通では。

そういう事に突っ込みつつも、未来へ飛ばされてからは次々と新しい展開へスピーディーに切り替わっていくので、あんまり気にならない。
というか飛ばされた人達が結構な戦闘モードになって、自己犠牲で敵を殺す普通のおじさんとおばさんとかよく考えたらめちゃくちゃだけど、サラッと観れてしまったのはなかなか凄い。


戦争と家族

父親と同じ様に家族と一緒にいることが出来ない運命で、その家族との絆を結べない理由に三代続いて戦争の影が横たわる。

クリス・プラットは前の奥さんとおしどり夫婦で有名だったけど離婚してしまった記憶も残っていたのでなんとなく家族から離れてしまう主人公の未来と重ねて観てしまったな、、、。
あと映画全体がドライで、なんなら笑えるバランスになっているのは、クリプラの持つコミカルな存在感も大きいと思う。

未来の娘役のイヴォンヌ・ストラホフスキーもキリッとして存在感が良かった。ターミネーターでサラ・コナーがそのまま未来の軍を率いている感じ。

JKシモンズもいい味を出していて、ラストの方でしっかり戦闘要員として大活躍するのは熱い。彼が犠牲になるというルートもありだと思うけど、そうはしないで戦争で心が止まった親子が孫の未来を救いその輪廻から抜けた事を示す様なハッピーエンドに泣けた。
この終盤の流れだけで「良い映画を観た、、、」という満足感があった。

そんな感じで上映時間長めな作品だけど、最後までダレずに楽しめた。傑作という感じでもないけど、色んな面白要素をギュウギュウに詰めた楽しい映画。満足でした。

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